またまたトンデモ批判するトンデモさん

以前もありましたが...
トンデモを評論するトンデモさん:ニコチンをビタミンに - なぜか数学者にはワイン好きが多い

「これでも日記か!?」さんは,一応,ちゃんと特許が取られているものを,本当に特許取得してるなんて、思えへんな。と問題点の原因にまで迫っちゃっている気分になっているようです.

またありました.
http://www.news.janjan.jp/living/0708/0708170922/1.php

このような深刻な状況のもと、あたかも「戦車に竹槍」とも言うべき、非合理で精神論にすぎない環境保護活動が奨励されている。その代表的なものは、2005年から開始された「打ち水大作戦」であろう。

打ち水」と「戦車に竹槍」が同等?!
水を撒くことが,「非合理で精神論」?
個人的な感想では,「戦車に竹槍で向かっていく」と聞くと「何と無謀な...」と思いますが,「夏に外で水を撒く」と聞くと「ああ,夏ですね」と思います.「暑い日に外で水を撒く」と聞くと,この筆者は「何と無謀な...」と思うのでしょうか.

一方で、今年の「打ち水大作戦2007」のQ&Aコーナーを見ると、不正確な説明が列挙されており、驚かざるをえない。たとえば「水蒸気は温暖化ガス(*2)ではない」とか、「打ち水によって約0.6〜0.8m/秒のそよ風が起きる」という意味不明の数字(*3)などである。全国的に行政も参加している活動に対して、内容をチェックする人はいないのだろうか。「水に優しく話しかけると美しい結晶が生成する」といったトンデモ科学を真に受けて、学校の先生までが子どもに広めるなどの指摘がなされているが、それと同レベルである。

打ち水」と「水の結晶」を同レベルにするとは...

この記事の悪質なところは,それらしい科学技術単語を出して,説得力を出そうとする,いかにもトンデモさんの書くような文章であるところです.例えば,

*3:具体的な計算方法が示されていないが、打ち水で気温が下がり空気の密度が増加して空気の圧力が上昇し、周囲に向かって風が起きる、との説明がなされている。いずれにしても、打ち水に起因する風速、すなわち時間の要素(「速度」というのは、物体が一定の時間あたりに移動する距離という意味である)が含まれた結果を求めたいのであれば、少なくとも数本の偏微分方程式を連立させたシミュレーションを解く必要があるだろう。

無理です.数本って...3次元のナビエ・ストークスだけで3本以上ですし,それに水分の蒸発と気化熱については正確な式はありませんから,観測から得られた数値表を用いて蒸発熱等を計算する必要があります.
筆者の想像力はたくましく,

しかも前述の打ち水メイド嬢のようなイベントでは、わざわざ水を運んだり、暑い屋外で活動して、体内の代謝が増加し、大汗をかいた人々が室内に戻ってきたときに、エアコンの設定温度を高くするのだろうか?どうも話が通じない。

と,メイドさんの活動や心境にまで言及しています.すると数値シミュレーションを行うには,打ち水の水の量や範囲,範囲内の温度や物質密度分布・風力,参加者の心理までも考慮しなければなりません.「数本の偏微分方程式」じゃ無理です.どんなモデルを仮定するのです?そしてその計算には,地球シミュレータでも使います?そこまでして,効果が実証できないと,やる意味は無いと主張する著者,そんなシミュレーションをする労力と電力がどれくらいか分からないのでしょうか.それなら,何年か打ち水をやってみて,その結果(気象観測結果も人の意識調査も,国の研究機関がやっています)を見る方が効率的です.

打ち水に反対する文章を書くくらいなら,その文章を書いているパソコンの電源を切った方が,地球のためになりますよ.

批判したからには自分の意見も書きますと,私は「温暖化現象に対する啓蒙になる」という一点だけで,打ち水運動は非・百害合って一利無しだと思っています.要は,即効的に打ち水で地球の温度が下がることは有り得ないでしょうが,打ち水をやることで社会的に害があるようなことも無く,むしろイベントとしてやることで人々の意識に働きかけることができて僅かながら有益だと思っています.

JanJanさんって,こんな非科学的な批評をトップ記事に載せるんですね...JanJanさんはJ-Castさんと提携しておられますが,輪をかけてWebマスコミのいい加減さを加速させている気がします.
ここまで堕落したWebマスコミ - なぜか数学者にはワイン好きが多い

面白い記事も多いサイトなのですが,これは酷いです.

J-CAST ニュース : 慰安婦決議で新聞「猛反発」 朝日社説だけが「孤立」