林眞須美氏の獄中レポート

もうすぐ,下記のサイトで紹介されると思います.
http://homepage2.nifty.com/katatsumuri/index.html
主婦だったそうなので特に文才に優れているかどうかは分からないのですが,読めば明らかに生々しさが感じられます.
以下は,昨年末の死刑執行に関する林氏の感想を抜粋したものです.

林眞須美さんからの手紙 07.2.1

大勢の方からクリスマスカードなど年賀状を頂きどうもありがとうございました。今までのクリスマス、1月1日、2日、3日の年賀状は最高の数で大変うれしくすごしました。私は11月に1回しかない大阪拘置所での年賀状購入申し込み時、領置金不足で購入できず、又、一日2通の発信枠ではとても発信することが出来ませんでした。獄中者(受刑・未決)の方には、貴重な発信枠からどうもありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いします。
(中略)
夕食後の17時10分からのお昼の録音のニュースで、4人への執行の事を耳にし、「ええっ」今まで目にしていた「カナリア」のもしかして、藤波さん?っと大変驚きました。75歳で再審請求中と思っていたので、何で?と。又、同じ5舎での福岡さんと聞き、なんで再審していなかったんだろうか?っと。東京拘置所での77歳と75歳の高齢の人たちを、よりによってクリスマスの日にしなくてもと。執行する職員もクリスマスの日に「人殺し」をしたということが、一生ついてまわるだろうに・・・・

17時10分のニュースのあとから五舎全体が沈没してしまったように、寒々とした中、今までにない異様なもの静けさに包まれてしまいました。誰かが窓から外に向けて「こらあ、お前ら仲間やのに、なんで再審するように言ってやらんかったんや。アホ野郎。同じめし食ってるのに、自分だけ再審したらいいのかよおー。仲間全員ちゃんと再審しろやあ〜〜。小林薫もすぐ再審しろ」っと叫んでました。寒々としているなかで、みんなシーンとしていてそれに言い返す人は誰もいませんでした。そして
「アホの汚職刑務官野郎!アホの中山厚め。よくもクリスマスの日に執行しやがったな。この人殺しの汚職刑務官のアホ野郎たちめ。何もクリスマスの日にせんでもエエやろうが。せっかくのクリスマスもだいなしや。お前らようもクリスマスの日に人を
殺したなあ。一生ついてまわるんじゃ。この人殺し野郎。線香の一本でもあげたんかよお。」と何度も叫んでいましたが、職員もなぜかこの日は静まり返っていて五舎全体が異様な静けさに包まれてました。

高齢者をひっそりと殺すことに何の意味があるのか,という点は確信をついています.(こっそりと殺して,犯罪の抑止力が生まれるのでしょうか,そもそも遺族への慰めになるのでしょうか.)
それからもう一つ,スイッチを押す公務員の人についても,同様です.(数人で同時に押すから,誰が本当に死刑囚を殺したか分からない,と言うのは...たくさん出版されている死刑刑務官の苦悩をあからさまに無視した戯言ですね.)


ことあるごとに「貴重な税金で犯罪者を養うのか」という人もおりますが,金が問題だったら,政治家の貴重な税金で高級料理店で開く会合を,一度減らすだけで一人の犯罪者の一ヶ月以上の養育費になりますよ.何10年も同じことを主張しておりますが,少なくとも「冤罪の可能性がゼロではない」という一点だけでも,死刑制度は廃止することが妥当です.