誰が本当の発明者か

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062575256/qid%3D1156003869/503-7513893-9774305
こんな本が発売されていたので,買って来ました.

僕も数学の理論を応用してコンピュータ・グラフィックスを作成する技術で,アメリカの特許を一つ取っています.僕のフルネームを知っている人は,例えば
US Patent & Trademark Office, Patent Full Text and Image Database
に行き,「Term 1」に僕の名前を入れ,「Field 1」を「Inventor Name」にすると,多分,一番上に出る検索結果がそうです.


エジソンやベル,ライト兄弟が,白熱灯,電話,飛行機の発明者ではないというのは研究家の間でなくても常識ですが,日本では日常会話でも使われる「アドレナリン」が日本人による発見だったとは(それが事実とすれば),初めて知りました.今月が発行日とされるこの本によれば,未だ学術用語としては認可されていないそうです.


それでもやはりこの本にも難はあり,例えばコンピュータの発明が誰かということで,教科書に書かれているENIACの開発者:エッカート&モークリーと,ABCマシンの開発者:アナタソフ&ベリーについて記述があっても,かのチューリングについては触れられていません.この微妙な傾向は同様にパソコンの発明の項にも表れており,スティーブン・ジョブスの写真は現れてもスティーブ・ウォズニャックの写真は載っていません.名前は出ますが.


著者は志村幸雄氏.今後は,さらに良い本を書いてくれることを祈っております.