コンピュータ・ウィルス生誕25周年

Happy Birthday, Dear Viruses
Science (07/13/07) Vol. 317, No. 5835, P. 210; Ford, Richard; Spafford, Eugene H.

This year marks the 25th anniversary of the genesis of the first computer virus. In 1982, a high school student in Pittsburgh wrote a virus that infected Apple II systems. The virus is known as the "Elk Cloner" and did little more than copy itself to floppy disks and display bad poetry, a minor irritation compared to the viruses of today. After Elk Cloner, the problem of malware grew slowly in the early 1980s, but became major news in 1988 when the "Morris Worm" spread worldwide and caused outages across the still young Internet.
(適当訳)
ハッピーバースデー!ウィルスさん

今年は最初のコンピュータ・ウィルスの誕生から,25周年たった記念の年です.
1982年,ピッツバーグの高校生がApple IIを攻撃するウィルスのプログラムを作りました.そのウィルスは「Elk Cloner」として知られ,自分自身をフロッピーディスクに複製して怪しげな文章を画面に出す等,今日のウィルスの原型でした.
その後,いわゆる「マルウェア」は1980年代初頭にじわじわと広まっていましたが,1988年の「モリス・ワーム」が世界中に広がり,初期のインターネットに悪影響を及ぼす事件となりました.

へぇ.モリス・ワームが世界最初のウィルスだと思っていました.

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モリスワーム発生! 1988年11月2日発生; 米国の23歳の大学生が作成した不正プログラムで、さまざまな脆弱性を利用しながら、自発的に繁殖し、APPANET の上の60000〜80000のホスト(全体の約10%)に影響が出た.

http://www.mc.gunma-u.ac.jp/doc/security/intrd-dfs/attck-oflw.html

バッファオーバーフローノイマンアーキテクチャのコンピュータに、その開発段階から付いて回っている問題点です。最初にインターネットに出現したインターネットワームはモリスワームですが、このモリスワームもバッフォオーバフローを用いています。モリスワーム(Robert Morris Worm)が出現したのは、 1988年です。ロバート・モリスは、他のコンピュータに侵入することだけを目的として、ワームを作りました。ロバート・モリスには破壊的な意図は全くなかったようです。モリスの父親は「息子のやったことは悪いが、技術は優秀」と言ってかばったようです。しかし、セキュリティに対する配慮に欠けていたといわれても仕方がないでしょう。その当時、インターネットに接続されたコンピュータは全世界で6万台ほどありましたが、そのうちの実に10%に当たる 6000台をダウンさせてしまいました。バッファオーバーフロー攻撃の殆どは、スタック領域を書き換えることによって行われます。

ちょっと検索をかけると,エルク・クローナーについても,記述されているサイトがずいぶんありました.

コンピュータ・ウイルスによる被害とその影響:いまさらというなかれ! 管理者のためのウイルス対策の基礎(1) - @IT

1983 Elk Cloner 最初のコンピュータ・ウイルスといわれている。AppleDOS3.3下のみで活動する。

ウイルス誕生20周年、その歴史をふり返る - CNET Japan(ウィルス作者の写真付き.凄く詳しい!)

Skrentaの「クローン型」プログラムというアイデア(彼は「ウイルス」という用語は用いていない)は、Apple IIのシステムディスク上のある人気コマンドに感染する。このSkrentaの作成したElk Clonerというプログラムは、ディスクが使われる回数を数え、5回起動するごとにコンピュータをシャットダウンさせるか、何か他のいたずらをする。また、コンピュータを50回起動させるごとに、画面に短い詩を表示する。