フルカラー「心理学ワールド」

カラーで心理でワールドって,スピリチュアルな雰囲気満載かもしれませんが,歴とした社団法人日本心理学会の会誌です...
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面白かった記事,まずは「知覚心理学は右肩下がりか,右肩上がりか 38年間のトレンド」.
最初に図版で紹介される「サッチャー錯視」が懐かしいです.
サッチャー」とありますが,教科書に載っているサッチャー元首相の画像はイマイチだと思います.大学の心理学教室に通っていた頃に最初に見たのは学会誌じゃなくて,日経サイエンス誌の別冊か何かだったと思います.
この阪大の森川先生の記事にあるのもダビンチのモナリザで,それなりに良いと思うので転載させて頂こうと思います.
出典は以下です.
知覚心理学は右肩下がりか,右肩上がりか,森川和則,心理学ワールド,No. 51, pp. 5--8, 2010.
その図版は以下.

見ると,左側の写真は口が歪んでいて,オリジナルの右側のモナリザの微笑みとは違うということは分かります.
パッと見,です.この手の錯視,要は認知心理学知覚心理学に詳しい人はすぐに分かると思いますが.
逆に言うと,ご存じ無い方は,逆立ちして見てみると中々衝撃的だと思います.
逆立ちするのも面倒だと思いますので,行間を開けて逆さまな画像を.


比べやすいように,左右も反転してみます.


左右反転は,左右の画像ごとに行うべきですが,面倒なのでまとめて...
なので,上下で比べると顔の向きが左右逆です.


この下の画像の方は...単に上下左右を反転させただけですが...

サッチャー錯視の効果により,

恐らくは,

元々,モナリザの目が大きく魅力的なこともあって,

見る方向が異なり,

表情が大きく変わっていることは

分かる方も多いかと思います.

なぜかというと,目の部分が上下反転しているからと,

人間の目が人間の目の辺りの影響を受け安いからなのですが,


これで実感できなければ,北岡先生のページにイラスト・マンガでの紹介ページがあるのでそちらをご参照頂ければ.

それでは,上下左右を反転した図です.


逆さまじゃ無いほうの画像,左側,思ったよりグロテスクになってませんか?


認知心理学実験心理学にそのままいたら研究所に入ってからもfMRIなんて使って脳ミソ調べてたやろなぁと思いつつ,そうじゃなくても一回も近くのfMRIを使わなかったのはもったいなかったかも.
その他にも,犯罪心理学にそのままいたら...という記事もあったのですが,病中なので次回に.