「テレビ番組が増幅させる血液型差別」読んでみた

フルカラーになった日本心理学会の「心理学ワールド」
フルカラー「心理学ワールド」 - なぜか数学者にはワイン好きが多い
の,2011年1月号が届きました.
目をひいたのは,番組名を名指しで批判している,よろしい内容の特集最初の小論文.

テレビ番組が増幅させる血液型差別,山岡重行,心理学ワールド,Number 52, pp. 5--8, 2011.

具体的な部分を引用させて頂きます.

2004年の多くのテレビ番組で否定的な扱いが際立ったのがB型である.例えば,「発掘!あるある大辞典II」(4月4日フジテレビ系列)では「B型にひどい目にあったA型被害者の会」,「脳力探検クイズ!ホムクル」(6月5日TBS系列)では「B型男性と交際歴がある怒れる女性30人」といった人たちが,いかにB型の相手にひどい目にあったかを訴えるコーナーがあった.
(中略)
「超スパスパ人間学!」(10月7日TBS系列)では,幼稚園の先生がケーキが入っている箱を園児たちがいる部屋に置いていって「先生が帰ってくるまで食べちゃダメ」と言って退室し,各血液型の園児たちが先生の言いつけを守るかどうかを比較した.A・O・AB型の園児たちは言いつけを守り食べなかったが,B型の園児たちはケーキを食べてしまった.

最後の番組については,たまたま裏付けが取れたそうです.

このケーキを食べた園児の一人が筆者の友人K氏の親族だった(以下,K氏の許諾を得て掲載).
K氏がこの園児に何でケーキを食べたのか尋ねたところ,「だって,カメラを持ったお兄ちゃんがずっと『ケーキ食べちゃいなよ』って言ってたんだもん!」と答えたそうである.さらに,この園児はB型ではなかった.

血液型も違い,「食べないように」と言ったという前提も覆して「食べちゃいなよ」と話しかけていたというデタラメさだったそうです.

ちなみに,2004年に完全版として,回収されたヤンサンから復活公開された「マイナス」(沖さやか,マイナス (漫画) - Wikipedia)の設定では,

恩田さゆり.かつて父親による暴力によってトラウマを抱えてしまい,それ以来他人から嫌われることを極度に恐れる.栃木県出身.B型.限りなくマイナス思考の教師であった.

だそうで.

文系学問は老人が多い印象があったのですが,この号は執筆者の年齢がむちゃくちゃ若いです.
チェックしたわけではありませんが,平均とったら30歳くらいになりそうな感じです.
若い方が,懐疑的な視点な記事を学会誌に書いてくれるのは良いことだと思います.

TBS多いですね,血液型インチキ占いが出てくる番組.