世界の中で注目されている研究者ランキング

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070307it11.htm

 学術文献の情報提供を行っている米国の「トムソンサイエンティフィック」が7日発表した「世界で最も注目された研究者ランキング」で、審良(あきら)静男・大阪大教授(免疫学)が2年連続でトップに輝いた。

元記事はこちら.
http://www.thomsonscientific.jp/news/press/sw200703/

トムソンサイエンティフィックのニューズレターScience Watch 3・4月号において、免疫学分野における7本のホットペーパーの著者である大阪大学の審良 静男 教授が、2年連続して“Hottest Researcher”として選ばれました。

これ,極端に言ってしまえば,「自社で作った格付けを元にした評価に過ぎません.もっともっと極端に言うと,例えば
http://www.dblab.is.tsukuba.ac.jp/~chx/nakamatu.html

まず驚くのは、前書きに四ページにわたって書かれている肩書きの羅列である。なんでも発明件数二千三百六十件でエジソンの千九十三件を抜き、世界一だとか、フロッピーディスクを発明したとか、世界発明コンテストで十一年連続グランプリとかである。
(中略)
世界発明コンテストの代表者が、ドクター中松自身であるとしか思えないが、するとドクター中松は自分で主催するコンテストに自分が連続受賞しているということになる。

に,似たところがあります.


が,全く違うところは,インパクトファクターは「確かに凄い論文誌には大きな値が付いている」と学者が認めている点です.
"Hottest Researcher"の受賞理由の一つにある「Cell」という論文誌は,論文誌自身のページによると,インパクトファクターは以下のようです.
Cell | 0092-8674 | Elsevier

Impact factor of this journal
2005: 29.431

29...どう考えても凄いです.例えば,http://www.human.nagoya-u.ac.jp/~yasudak/impfac1.htmlによると,日本では巨大な工学系学会で有名な電子情報通信学会の英文論文誌は,最高でもインパクトファクター0.35です.

29.431/0.35=84.08857ということで,日本の中で権威ある論文誌の84倍(?)の権威ということになります.
インパクトファクターが全てじゃないですけど,ある程度のインパクトファクターは取りたいものです.


ただ,結果を見てみますと,私たちには納得がいかない面があります.
http://www.thomsonscientific.jp/news/press/sw200703/ranking.shtml
数学がありません.情報科学もありません.最古の自然科学と最先端の理工科学が無いのは,私には納得がいきません.