アインシュタインの言葉

おもしれー(笑)
http://www.asahi.com/science/news/TKY200606070141.html

「神に感謝する。我々に日本という尊い国をつくっておいてくれたことを」といったくだりがあるこの文章は、多少の相違はあるものの、1950年代から軍人や宗教家の書籍で紹介され始め、最近は日本文化を誇る「ちょっといい言葉」としてネットで引用されることも多くなった。

見ました見ました.
子供の頃,学研の「ムー」とか,ムーの別冊の...確か「大予言辞典 悪魔の黙示録666」(高橋良典著)とか,延々と出ている「ワルチン版 予言大全」とかに載っていた...気がします.(この書名は現在確認できないため,いいかげんです.信用しないで下さい.ただしオカルト系の複数の本で読んだのは確かです)

速攻で書き込まれるあたり,さすがWikipedia
アインシュタインの予言 - Wikipedia

ただ,アインシュタインは研究者の間では常識の通り,決して「温厚で争いを好まず常に誠実な紳士」だったわけではない,普通の人間だったので,日本に招かれたときにある程度のリップサービス発言をした可能性は大いにあると思われます.
だから上の記事もそのまま信用せずに,自分で調べることにしましょう.

あと,上の二つの記事には矛盾があり,まず朝日新聞の方は

 〈アインシュタイン研究者の板垣良一・東海大教授(物理学史)の話〉 この言葉は、アインシュタインのものではないと断言できる。彼はキリスト教徒でもユダヤ教徒でもなく、「神」にこだわらない人だった。日記や文献を詳しく調べてきたが、彼が天皇制について述べた記録はない。

とあり,Wikipediaでは

この批判に対しアインシュタインは、自らを必ずしも平和主義者では無いとした上で(アインシュタイン自身がユダヤ人であるため)、ナチスドイツ攻撃は正当な行為だと自身を弁護、また原子爆弾に関しても篠原には日本国民として日本のアジア侵攻に対する責任があると反論した。

という記述があります.

さて,朝日新聞の「ユダヤ教徒」という言葉とWikipediaの「ユダヤ人」という言葉を確認しましょう.いろいろ誤記があることでも有名ですが,とりあえず定番で有名でもあるということで,広辞苑で定義を見てみましょう.

ユダヤ‐きょう【―教】‥ケウ
(Judaism) イスラエルに興った啓示宗教の一。モーセの律法を基礎として唯一の神ヤハウェを信奉し、イスラエルの民のために神の国を地上にもたらすメシアの来臨を信ずる。バビロンの捕囚以後に教団として発達。今日もユダヤ人の多くはイスラエルや世界の各地で、この信仰伝統に生きる。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

ユダヤ教徒」は「ユダヤ教を信仰する人」,と定義するのは自然でしょう.続きまして

ユダヤ‐じん【―人】
(Jew) (ヤコブの子ユダ(Judah)の子孫の意) ユダヤ教徒を、キリスト教の側から別人種と見なして呼ぶ称。現在イスラエルでは「ユダヤ人を母とする者またはユダヤ教徒」と規定している。十字軍時代以降、ヨーロッパのキリスト教徒の迫害を受けた。近世、資本主義の勃興とともに実力を蓄え、学術・思想・音楽方面にも活躍。
[株式会社岩波書店 広辞苑第五版]

最初の方だけ要約すると,「ユダヤ人=ユダヤ教徒を呼ぶ称」とまとめるのは問題が無いと思われます.
従って,ユダヤ人=ユダヤ教徒と考えて良いですよね.
すると,朝日新聞の「ユダヤ教徒でもなく」とWikipediaの「ユダヤ人であったため」は矛盾します.
ではどちらが正しいかと言うと...まあ,周知の通り,アインシュタインは...

あ,時間切れです(笑)
ちょっと今日は仕事でバテてしまったので,これにて.