新興宗教はカルト宗教とは違う
写真の硬派な内容の文章,写真では読みにくいでしょうけど,こんな感じの記事です.
死刑制度を見据える
問われる罰と償いの在り方今月21日から裁判員制度が始まるが,多くの戸惑いの声が上がっている.その最も大きな要因は,被告人が有罪の場合,裁判員が死刑判決を下す可能性があることだろう.制度施行によって身近な問題となる死刑を,私たちはどのように見据えておくべきか.
これ,何の記事だと思います?大手新聞?学術雑誌?
いえ,新興宗教「金光教」の広報誌である「金光新聞」の記事です.
金光教は,いわゆる神道13派,すなわち「出雲大社教(いずもおおやしろきょう),御嶽教(おんたけきょう),黒住教(くろずみきょう),金光教(こんこうきょう),実行教(じっこうきょう),神習教(しんしゅうきょう),神道修成派(しんとうしゅうせいは),神道大教(しんとうたいきょう),神道大成教(しんとうたいせいきょう),神理教(しんりきょう),天理教(てんりきょう),枎桑教(ふそうきょう),禊教(みそぎきょう)」の一つであり,「新興宗教」と言えどもオウム真理教や幸福の科学よりは古いです.
そして広報誌を見る限り,竹下節子氏が指摘しているように,金光教はある程度の歴史を経ることによって内部浄化作用・反社会活動の抑制が働き,上記のような社会的な記事を広報誌に載せるに至っているように思えます.
「幸福の科学」や「創価学会」,かつての「オウム真理教」の広報誌だと,失笑ものの記事ばかりだったのと対比するとよく理解できます.
他にも金光新聞を見て感心したのは,次のような記事です.
トルコ訪問記
(中略)
取るこの歴史や文化を学び,イスラム教徒への理解を深めるとともに,相互交流を図った.参加者は,私(引用者注:金光教平和活動センター専務理事)と天台宗本性院副住職,黒住教副教主,(中略)また,「中外日報」西部支社が同行した.
このように,他の宗教を認める姿勢を取っています.
これは今日の両キリスト教のような,ヨーロッパ宗教的な寛容さを感じさせます.
しかし,幸福の科学や創価学会には,そのような寛容さ・成熟さは微塵も感じられません.
解散を求めるような過激な(?)行動に出ることが社会にとって良いのか,それとも信教の自由を尊重して,社会と融合するように成熟するのを見守るのが良いのか,どちらなのでしょう.