synergy-plusを使おう

パソコンの台数が増えてくると,ディスプレイが増えて一度に閲覧できる情報量が多くなって嬉しいのですが,パソコン・ディスプレイと共にキーボードやマウスも増えるのが結構大変です.場所も取りますし,キーボードが3つ4つ5つとなると,間違えて違うパソコンのキーを打ってしまったり.
そんなマルチモニター環境になったら,ソフトウェアベースかハードウェアベースのKVM(Keyboard・Video・Mouseスイッチ)を使うのが得策です.

ハードウェアベースKVMはかなり昔からあり,大量のサーバを一組のディスプレイ・キーボード・マウスで操作先のサーバを切り替えながら使うのに使われてきました.

ソフトウェアベースKVMは,主に一組のキーボード・マウスで複数のディスプレイ+パソコンを操作するのに使われます.多くのソフトは,マウスカーソルを複数のディスプレイにシームレスに移動できて,マウスカーソルのあるディスプレイがつながっているパソコンを,キーボードが操作できます.
有名なものに,多くのプラットフォームに移植されているsynergyがあります.
Synergy - Mouse and Keyboard Sharing Software - Symless

Introduction

synergy: [noun] a mutually advantageous conjunction of distinct elements

Synergy lets you easily share a single mouse and keyboard between multiple computers with different operating systems, each with its own display, without special hardware. It's intended for users with multiple computers on their desk since each system uses its own monitor(s).
(適当な訳)
イントロダクション

synergy: [名詞] 別々な要素の機能相乗的な結合

シナジー」は特別なハードウェアを使わずに,それぞれディスプレイを持つ異なるOSのパソコン間で,一組のマウスとキーボードを簡単に共有させます.
ユーザの机の上にある複数のパソコンが,それぞれのモニタを使う必要がある場合を想定しています.

http://journal.mycom.co.jp/column/yetanother/091/

さて、ひとりで複数のPCを使うようになると、困るのが入出力インタフェースの混乱である。ディスプレイに関しては、安価な切り替え機があるのでさほど不便なことはないが、キーボードやマウスまで切り替え可能な所謂「PC切替機」は、安くても2万円程度はするし、接続台数も2〜4台しか対応できないものがほとんどだ。できれば、もっと安価かつ柔軟に、複数のPCを1セットのキーボード、マウスから集中コントロールしたい。そこで今回紹介するのが、「Synergy」というソフトウェアだ。

web制作者向け、無料で擬似デュアルモニターを実現させる方法『Synergy編』*ホームページを作る人のネタ帳

今回導入するものは、ローカルエリアネットワーク上のPC同士をTCP/IPを用いて擬似的につなげるものです。ファイルのやり取りは出来ませんが、テキストのコピペだけはできます。
この説明は、現時点での最新版1.3.1を対象としています。

しかし,synergyは2006年の1.3.1以来,メンテされていません
そのため,Windows Vistaで悩んでいる人も多いですし,バグフィックスもされていません.

そこで有志が始めたプロジェクトが,synergy-plusです.
Google Code Archive - Long-term storage for Google Code Project Hosting.

This project is a maintenance fork created to implementing patches and bug fixes to synergy.
Original project located at https://sourceforge.net/projects/synergy2/ and it hasn't any source updates or new releases since 2006.
(適当な訳)
このプロジェクトは,シナジーのパッチやバグ修正を行うためのメンテプロジェクトです.
オリジナルプロジェクトはsourceforge.net/projects/synergy2にありますが,2006年以来アップデートも新規リリースもされていません.

synergy-plusをインストールすると,バージョンは1.3.3と出ます.
オリジナルとの互換性はあり,オリジナル最終(?)バージョンの1.3.1が入っているマシンと同時に使うことができます.
他のプロジェクトとも共同作業が始まっていますが,まだ公式にWindows以外のソフトの配布はされていません.
また,バグ修正が中心なため,まだ特に新しい機能が入ったわけではありませんが,例えば些細な点ではログにタイムスタンプが付くようになっています.これは,特にクライアントで,今まではサーバに不具合があった場合に接続が拒否された・復活したというようなログが残っていましたが,日時が出ていないために何が起こっていたのかさっぱり分かりませんでしたが,調査の参考になると思います.


さて,synergy-plusは,デフォルトでオリジナルのsynergy-1.3.1と同じフォルダにインストールしようとします.その際,「synrgyk.dll」というライブラリが被るために,そのままではインストールできません.なぜかは今のところ分かりません.他のアプリと共有しているわけでも無いですし.インストーラがNSISみたいなので,あとで中身を見て確認してみます.ま,なので,二択になります.

  1. synergy-1.3.1をアンインストールし,再起動してからsynergy-plusをインストールする
  2. インストール先を変更(例えば,Program Files\synergyからProgram Files\synergy-plusに変える)する

どちらも試してみたのですが,特にハードディスクが一杯一杯じゃない場合とか再起動したくない場合,2番目が良い気がします.1.3.1を完全に削除して綺麗にしたい場合は,1番目が良いかと.