狂牛病と食人

過去,何度も何度もBSE,通称狂牛病について書いてきましたが...

毎日新聞が書く無知科学記者の論説 - なぜか数学者にはワイン好きが多い

先日の東京出張で,また面白い本が見つかりました.

http://www.amazon.co.jp/%E7%9C%A0%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E4%B8%80%E6%97%8F%E2%80%95%E9%A3%9F%E4%BA%BA%E3%81%AE%E7%97%95%E8%B7%A1%E3%81%A8%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%81%AE%E8%AC%8E-%E3%83%80%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB-T-%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4314010347

タイトルからは「遺伝的な不眠症の病気の話?」という気がしますが,内容は,異常タンパク質についての話題がほとんどで,当然,狂牛病クロイツフェルト・ヤコブ病の話,それからそれに絡んで,当然のごとくノーベル医学賞受賞者のプルシナー博士やガイジュセック博士についての話が大部分を占めています.

この本の特徴は,そう,これらノーベル医学賞受賞科学者を英雄視していないこと.プルシナー博士は

しかしそのあと,彼らはもう少し考えた.そして,プルジナーは人間よりプリオンを大切にしている,と私に言う.

と扱き下ろされ,ガイジュセック博士に至っては

「学者ぶった小児性愛者の小児医科です」.2003年,会う約束を取り付けるために私がガイジュシェックに電話すると,こんな挨拶が返ってきた.

と,ぼろくそです.
もっとも,個人的に擁護しておくと,刑務所に入ったノーベル賞科学者というのも珍しいですし,そのガイジュシェックが例え子供に科学的あるいは性的な関心があったとしても,子供に性的な虐待を加えていたという見識は今のところありません.数名の子供の証言はあるようですが,それはこの書籍でも紹介されているように,必ずしも児童虐待ということではないように思われます.


とにかくこの本は,参考文献の一覧もあり,最新のプリオンタンパク質の研究成果の紹介もあり,脳や精神に関わる原因不明の病気に関心がある人にはお薦めです.
定価2400円ですが,私は東京駅の地下の古書店で1400円で買いました.
なお,この本は紀伊国屋書店の発売で,同様に紀伊国屋書店からは
http://www.amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%81%9C%E7%89%9B%E3%81%AF%E7%8B%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A0-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%84/dp/4314009136
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などのお薦めが多数あります.