癒しとは卑しいモノ

以前にも書きましたが,天才なのか凡才なのか分からない二人の漫画家がいます.一人は浦沢直樹,もう一人は細野不二彦です.

先日,古書店でそのうちの一人,細野不二彦氏の作品「ギャラリーフェイク」の31巻を,ふと買いました.
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AF-31-%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E7%B4%B0%E9%87%8E-%E4%B8%8D%E4%BA%8C%E5%BD%A6/dp/409187391X
その中に,実に共感できるセリフがあって,驚きました.

癒しとは 醜悪なる 現実の肯定と そこからの 逃避に すぎない!!

ギャラリーフェイクのオーナー,藤田玲司(フジタ・レイジだそうだが,もちろんモデルは,藤田嗣治ことフジタ・ツグハルでしょう)に関わる重要人物の一人,ジャン・ポール・香本が吐くセリフです.そのジャン・ポールが調香した作品を売る,フジタの麗人サラは,「こう主張する一流の調香師の一流の仕事デス!」と売る.

全く,良いセリフです.確かに癒しは醜悪カモ.
「偽善が大嫌い」という人がいますが,私は「偽善すら出来ない人はもっと嫌い」派です.同様に,「癒しによって元気が出る」という人がいますが,私は「癒しは醜悪」の方が共感できます.
ま,趣味趣向の違いですが.

そのあとのストーリーも面白いと思います.
「プロフェッサー」フジタが,プロの仕事をするのかどうか.

いや,考えるまでも無いのですけどね.