屍鬼 by 小野不由美

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4101240272/ref=pd_sim_b_4/250-5163823-9550618?ie=UTF8
つくば出張の新幹線の中で久しぶりに読み直していたのですが,またまた夢中で読んでしまいました.「夢中」を表現するには,文庫版の後書きを書いておられる宮部みゆきさんの文章がぴったりだと思います.

本書を手にとっておられるあなた,さあレジに行きましょうね.その前に,ちゃんと五冊をそろえて持っているかどうか確認してね.とりあえず一巻だけ買おう,なんてことをやると,夜中の三時過ぎに続きを求めて町をさまよう羽目になります.

実は僕は,3巻から読み始めまして(長編苦手で...),5冊は持っていないのですが,持っている3巻もしくは4巻を読み始めてしまうと,必ず5巻までは読んでしまいます.
もちろんスティーブン・キングのファンでもあるので,本書の元ネタの「呪われた町」(集英社文庫版・上下巻)は読んでます.比べると,話の筋としてはそっくりなのですが,圧倒的に小野不由美版の方が面白いです.これはアンソロジー「怖い食卓」
http://tantei-jp.hp.infoseek.co.jp/anthology/hokuso006.htm
を読んだときも思ったのですが,ラブクラフトが言う「コスミック・ホラー」に関しては,日本人の作品が凄いと思います.「怖い食卓」にも,H. P. ラブクラフトやH. G. ウェルズの有名な短編が入っていますが,他の筒井康隆安部公房谷崎潤一郎,村山槐多と言った日本人の作品の方が,僕はあとからぞくぞくときました.