地球の可視化

地球シミュレータによる地球近辺情報の可視化だそうです.
http://www.asahi.com/science/update/0507/TKY200705070300.html
4面の没入型ディスプレイということは,最初の没入型ディスプレイと言われるイリノイ大学のCAVEのようなタイプですね.今では,東大が最初と言われるCABINの方が有名だと思いますが.CABIN型は,左右と前方に加え,上下(天井と床)の5面が立体ディスプレイです.

なお,東大のCABINについては,下記の記事にて,作った廣瀬先生が詳細に記録されております.


大画面VRの個人的10年,廣瀬通孝,日本バーチャルリアリティ学会誌,Vol. 11,No.2,pp. 17--19,2006.


これは日本VR学会設立10周年記念イベントの一環として,「特集:日本のVR」の中の記事の一つとして執筆を依頼したものです.とても面白いのですが,例えばこんな一節があります.

 東大にCAVEをという話が出るのはその翌年の1995年である.計画はだんだん大きくなり,単なるCAVEではなく,さらに1面を追加した5面のタイプとし,そのためには床面を強化ガラスで設計することなどの基本的技術仕様が決定する.

 その翌年にかけて,筆者がイリノイ大学を訪問し,CAVE型ディスプレイを東大で開発すること,さらにそれは5面構成の非常に大きなものになることを,CAVEの発明者の一人である同大学のT.DeFanti教授に報告する.仁義を切ったわけである.

堂々と「パクりますので」と伝えたのですね(?).
VR学会誌のこの号は,基本ポリシーとして全筆者に「お好きなように,思うがままに思い出を綴って下さい」と依頼しただけあって,とても面白いです.