「すべての怪談は”不幸の手紙”から始まる!」?

電車でこんな文庫本を読んでいたら...
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このような文章に出会いました.

また,筆者がたまたま知りえたところでは,90年ごろ,ある雑誌が<不幸の手紙>の回収を呼びかけたところ百通を超える手紙が寄せられたというから,その絶えざる呪縛力(?)はなかなかのものだ.

この文章だけからだと伝わらないと思いますが,この文章の筆者は雑誌関係者で筆力があり,「牛の首」「くだんのはは」「リング」といった恐怖話について,説得力のある(つまり怖い)面白い話で楽しませて頂きました.

ただ,「<不幸の手紙>の回収」については,思わず笑ってしまいました.
年代が若干違うようなので,別なものなのか,はたまた筆者の記憶違いなのかは分かりませんが,不幸の手紙の回収といっては,何といってもアレを連想してしまいます.
http://homepage3.nifty.com/hirorin/bonotegami.htm

これが「棒の手紙」だ!

 平成8年から9年にかけて世間を騒がせた「棒の手紙」――僕はたぶん、それを徹底分析した日本でただ1人の人間だと思うので(笑)、その分析結果をここに残しておきたい。
 僕が「棒の手紙」のことを初めて知らされたのは、「オタク座談会」シリーズを出している音楽専科社の編集者からだった。
 音楽専科社は『アリーナ37℃』という音楽雑誌を出しているのだが、その文通希望コーナーに名前が載った人の中で、「不幸の手紙」の被害に遭う人が続出した。「こわくて捨てられない」という訴えを受けた編集部では、「『不幸の手紙』を受け取った方は編集部までお送りください。こちらで処分します」と呼びかけた。すると「不幸の手紙」が編集部宛てに続々と回送されてくるようになった。
 ところが、途中で字の汚い奴がいたらしく、「不」と「幸」がくっついて「棒」になってしまった。しかも「文章を変えずに」という指示があるため、誤字であることが明らかなのに、次々と「棒」が書き写されていった。その数がしだいに増えて「不幸の手紙」を陵駕、ついには「棒の手紙」ばかりになってしまったのだ。

何年か前に読んで,大笑いしてしまった内容です.
山本弘さんの締めは,こんな感じです.

その後、『アリーナ37℃』誌面で「くたばれ!棒の手紙」キャンペーンを行うことになり、僕も頼まれて寄稿した。そして「棒の手紙」の内容分析を紹介するとともに、自分が不安から逃れるためなら他人に迷惑をかけてもいいと考えるのはよくないと訴えた。キャンペーンの効果があったのかどうか、「棒の手紙」はその後、急速に減少し、消滅に至ったらしい。
 もっとも、消滅の原因は誤字の増殖にあるとも考えられる。「よくない白が続きます」では脅し文句になっていないし、文面の指示に従おうにも、「予書、ヒピーも可」では何のことだか分からない(笑)。あまりに変な内容になってしまうと、増殖力を失ってしまうのではないか。

「ある雑誌」とか,「百通を超える」とか共通点が多いので,やっぱこれのことじゃないのかなぁ...

たくさん引用してしまったので,今,読んでる山本会長の本をご紹介しまして.
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http://homepage3.nifty.com/hirorin/chounouryokubangumi.htm
山本さんのページには以下のような注意が書いてありますが,私はちゃんと書店(KUMABOOK.NET Home)で新刊を定価で買いました.どうぞご心配なく.

ご注意!
 一部に不当な高値でこの本を転売している悪質な業者がいます。新刊書店では1785円で買えます(店頭になければ書店に頼んで取り寄せてもらうこともできます)。定価以上の額で買わないようにお願いします。

ところで「伝染る『怖い話』」には一柳廣考先生も寄稿なさっています.ナイトメア叢書の続刊,楽しみにしてますのでよろしくです!
http://www.amazon.co.jp/%E5%A6%96%E6%80%AA%E3%81%AF%E7%B9%81%E6%AE%96%E3%81%99%E3%82%8B-%E4%B8%80%E6%9F%B3-%E5%BB%A3%E5%AD%9D/dp/4787291815/ref=sr_1_3/250-1656570-0709862?ie=UTF8&s=books&qid=1178551314&sr=8-3