数理科学誌

現在,サイエンス社の雑誌「数理科学」で,早稲田の前田恵一先生が「重力理論入門」を連載されております.今月号のタイトルは「第5回:アインシュタインは正しかった」で,莫大な数の一般相対論の改良版の理論が,いかにテストをクリアせずに振り落とされて来たかが詳細に記述されています.一般の人には難しいかもしれませんが,ちょっとかじった人なら,星の数ほどある相対論の解説書の中でもユニークな内容であることが分かると思います.お勧め記事です.最後の一行はこうです.

このようにアインシュタイン理論は誕生後90年間ますますその精度を上げ,その正しさが示されてきている.

また,前書きでもこんなのがあります.

通常の物理学は実験を繰り返すうちに理論にほころびが見え,それを改良する形で新しい理論が生まれる.量子力学がその良い例である.しかしアインシュタイン一般相対性理論は完全に理論先行であった.アインシュタインが思考実験を繰り返し,もっとも簡単でもっとも美しい相対論的重力理論として創り上げたものである.

いや,全く同感です.