ウソかホントか

疑似科学続きで,と学会会長の本が取り上げられています(さらっと参考文献としてですが).
http://wiredvision.jp/blog/fujikura/200804/200804041200.html

(前略)
 こうしたさまざまなコストや判断要因があるなかで、リサイクルが白っぽい灰色なのか黒っぽい灰色なのかが決まる。だから、100%絶対に正しいリサイクルもなければ、100%絶対に間違っているリサイクルもない。

 私はペットボトルのリサイクルはかなり白に近い灰色だと思っている。多くの環境科学者はそう考えているだろう。しかし、絶対に白だとは言い切れない。だから、リサイクルを肯定する研究者の言葉は、いつも条件付きで歯切れが悪い。

 その点、武田さんの言説は一刀両断歯切れが良い。「駄目!」と言明する。しかも、リサイクルは良いという「常識」に挑戦している。だから、マスメディアにも受けるし、市民が受ける印象も強い。結局、多数の研究者の「学者っぽい」指摘よりも、武田さんの断言が勝ってしまう。

表現がお上手ですね.記事全体にも,ほぼ賛同します.

私も,クジラの漁に大反対する一方で,ジュゴンやカンガルーを殺すことは合法的なオーストラリアなんかには違和感を覚えるので(まぁ,対等に比べられる問題なのかどうか分かりませんが...),環境問題に対して一言行っている書籍の紹介を.
ジュゴンの肉は美味しいです : 週刊オブイェクト

沖縄では琉球王朝時代に、租税としてザンノイオと呼ばれていたジュゴンの肉を献上していたようで、それを祭るザンの御嶽(うたき)、通称人魚神社が新城島に残っているし、私が若き日を過ごしたミクロネシアパラオ諸島では、酋長(しゅうちょう)の印としてジュゴンの頸椎骨(けいついこつ)を腕輪にし、肉を食べていた記録がある。

 また、オーストラリア北端のトレス海峡に浮かぶ木曜島にも、昔から冠婚葬祭や祝い事のある時にジュゴンを捕って食べる習慣があった。

 現在もアイランダー(島土着の人々)やアボリジニー(オーストラリア原住民)に限り、伝統文化の保護を目的としたジュゴンの生存捕獲が認められていて、ジュゴンハンターと呼ばれる人たちがいる。

 もっとも、国や州政府は国際世論への配慮から、あまり大っぴらにされることを喜ばず、私が取材を申し込んだら写真撮影を拒否されてしまった。

http://www.cnn.co.jp/science/CNN200803310037.html

特に、日本の捕鯨調査船にオーストラリア人活動家が乗り込んで作業を妨害する中、カンガルー処分を決めたことから、捕鯨には反対してカンガルーを処分するという方針のオーストラリア政府に、非難が集まっていた。

オーストラリアには約60種類のカンガルーが生息しており、絶滅の危険にあるのは数種類のみ。ほとんどの種類は個体数も多く、許可があれば狩猟できる。カンガルーの肉は食用にされるほか、ペットフードなどにも使われ、革や毛皮も利用されている。


例えば,クレーマー&トレンクラー博士の「常識のウソ277」.
http://www.amazon.co.jp/%E5%B8%B8%E8%AD%98%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%BD277-%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC-%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC/dp/4167309823
沢山おもしろい節があるのですが,いくつか.

Q: ゴミを細かく分別するほど環境保護につながる?

A: 極端な分別はコスト的にもマイナスだし,ある資源の節約につながる場合もあるとしても,それによってかえって他の資源が浪費されることのほうが多い.

Q: 喫煙は医療費を引き上げている元凶?

A: もし禁煙者がいま全員禁煙したら,現在のような社会保険は短期間で支払不能になり,年金を大幅カットするか,保険料を大幅アップするしかなくなるだろう.喫煙者が早死にしなくなれば年金の支払額が膨れ上がり,公的年金制度があっという間に破綻をきたすからである.

社会統計学者が著者なだけに,説得力があります.