偽書「田中上奏文」

へぇ...
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2008010102076516.html

中国側も「偽物」見解 対日批判の根拠「田中上奏文

2008年1月1日 朝刊

 【北京=鈴木孝昌】日中両国政府の合意を受けて2006年末から進められている「歴史共同研究」で、中国側が「対中侵略の計画書」と位置付け日本側と真偽論争を続けてきた「田中上奏文」について、中国側が「偽物」と認める見解を示していることが分かった。中国は同文書を対日批判の根拠としてきたが、公式な研究で見解が見直される可能性があり、歴史認識の違いを埋める一歩となりそうだ。

 田中上奏文は、1927(昭和2)年、当時の田中義一首相が対中侵略や世界征服の計画を昭和天皇に密奏したとされる文書。

 日本では「偽物」との見方が大勢だが、中国では歴史教科書にも記述され、北京の盧溝橋にある「抗日戦争記念館」でも展示されている。
(後略)

田中上奏文」については,志水一夫さんが,例えば過去の執筆記事をまとめた「トンデモ超常レポート傑作選」(楽工社,2007)で一章を割いて書いておられ,特に現代において

ヒトラーは偽文書「ユダヤ議定書」を利用してホロコーストを行ったが,地球の裏側ではすべて逆となり,実は連合軍側が偽文書「田中上奏文」による「文化的ホロコーストを行っていたのであった!

このまさにトンデモない偽文書「田中上奏文」だが,実は今でも行き続けている.

ネットでちょっと調べてみれば判るように,中華人民共和国ではこの文書が教科書にも出ているし,南京の「大虐殺記念館」などでも今もって本物として販売されている.

(p. 32)
と嘆いておられます.
が,広く言っておられるのが志水さんくらいだったので,実は私はあまり信用してませんでした.原本も入手できていないので,とりあえず結論は保留にと.
しかし,英語版Wikipediaにも載っている(もちろん,Wikipediaが全て正しいとは思っておりません)有名な(志水さんも,上記,中日新聞も曰く)文章のトンデモなさには,逆に信憑性を覚えます.第二次世界大戦時,日本がアジア侵略を企んで(というか,実行して)いたとは言え,世界征服を企んでいたとは,まぁ思えなくはないですが,それが世界中に出回る文書にするなんてことは,常識的には考えられません.

この辺りは,ぜひ長山靖生さんにでも調査・出版をお願い致したいところです.
http://www.amazon.co.jp/%E5%81%BD%E5%8F%B2%E5%86%92%E9%99%BA%E4%B8%96%E7%95%8C%E2%80%95%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%99%BE%E5%B9%B4-%E9%95%B7%E5%B1%B1-%E9%9D%96%E7%94%9F/dp/448003658X
あ,出版社は同じですが,文庫版が出たのですね.知りませんでした.

なお,「ヨーロッパでも浸透」というタイトルは,Skypeでランダムに尋ねたら,「事実と信じている」と答えて下さったPCユーザさんが,ほぼ100%(「そんなの知らない」という方を除いた場合.実は知らないという方が圧倒的に多かったのですが.)だったという事実に基づきます.