数学セミナー 2007年11月号
特集が素晴らしいです.
http://www.nippyo.co.jp/maga_susemi/ss0711.htm
特に個人的には,統計数理研の樋口知之教授による「全体モデルから局所モデルへ〜状態空間モデルとシミュレーション」が嬉しいです.
パーティクル・フィルタの分かり易い説明があり,これで学会等に入っていない非専門家にも樋口先生のこの原稿が読めます.
「この原稿」と言いますのは,この数学セミナー誌の記事は,分かり易いと思って気に入っていた電子情報通信学会誌の解説記事に似ているということです.
粒子フィルタ,樋口知之,電子情報通信学会誌,Vol. 88, No. 12, pp. 989--994, 2005.
信学会は巨大な学会ですが,それでも入会していない一般の方々は多いことでしょう.なので一般の雑誌に樋口先生の記事が掲載されたことは嬉しいです.ただし,GA(遺伝的アルゴリズム)との類似については,信学会の論文では触れられていましたが,数セミの論文では間接的にしか触れられておりませんでした.
その他,統計数理研の伊庭幸人准教授による「平均値から個性へ〜統計的モデリングのひらく世界像」も,当人の著書である「ベイズ統計と統計物理」の,超凝縮版になっていて,素晴らしい記事です.
本当に「待ってました」というような特集です.さすが数セミ誌.