超魔術の嘘

やっと手に入りました.
http://www.amazon.co.jp/Mr-%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF-%E8%B6%85%E9%AD%94%E8%A1%93%E3%81%AE%E5%98%98%E2%80%95%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E5%85%A8%E8%B2%8C%E3%82%92%E5%85%AC%E9%96%8B-%E3%82%86%E3%81%86%E3%82%80-%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81/dp/4887189052
なんせ最初に発売されたのが1990年,17年も前ですから内容は若干古いのですが,私は長年テレビ無し生活を送っているため,マリックさんとやらはなんであんなに名前が知られているのだろうと思っていまして,その疑問の一端がこの本のおかげで解けました.
確かにこの頃のゆうむさんは,かなり超能力に心酔なさっていたようです.しかし上記のAMAZONの評者の「超能力肯定論者が超能力のトリックを暴くという異色本」という言葉は到底納得できません.超能力を否定するか,肯定するかの二つしか選択肢が無いというのは,二分論という完全な詭弁術です.本の中でも,ゆうむはじめさんは「あらゆる超能力は存在する」などということは書いておりません.
もっとも,こんな感じの文章は,私も疑問に思いますが...(上記の本より)

CSICOPは,1976年の設立当初は,超能力の研究論文に対する批判を主にしていたのだが,次第に研究者や超能力者の,私生活暴露にまで手を染めるようになり,やがてその活動は,超能力研究に対する露骨な妨害工作へと変わっていく.

私生活暴露???
何のことを指しているのか,さっぱり分かりません.本の中で書かれている通り,設立当初からCSICOPは豪華メンバーで,人の私生活を調べるヒマなんて無いはずですが...
他にも清田さんの話とかユリ・ゲラーの話とか(今となっては)妙な話も混ざっているのですが,手品のネタ暴きについてなど,面白かったです.特に,単にネタをばらすだけなら手品のモラル違反で訴訟沙汰なのですが(実際,きわどかったそうですが),この本は「マスコミのモラル」について追求することがメインになっており,納得がいく解説本になっています.

あと,ちょっと考えれば知識としては私も分かることだったのですが...火で文字を書くマジックについてなど,勉強になりました.

ちなみに,1992年に最初に発売された本の復刊http://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8%E2%80%95%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%82%B5%E3%83%9E%E8%B6%85%E5%B8%B8%E7%8F%BE%E8%B1%A1%E3%82%92%E6%9A%B4%E3%81%8F-%E3%82%86%E3%81%86%E3%82%80-%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81/dp/4887189168/ref=pd_bxgy_b_img_b/250-4246117-0129848では,超能力肯定の文章はほとんど出てきません.わずかに「超能力が存在する可能性はゼロではない」というような文章が,冒頭にあるくらいです.

あ,「Mr. マリック 超魔術の嘘」の2006年発行初版P. 148など,「確立10割」という安直な誤植(というかたぶん変換ミス)がありますので,次の版では直しておいて下さいまし.