統計宣伝のウソ暴き

よく,数字を出すことでそれらしく偽りの主張をする文章があります.多くの場合,それは「統計によると」といかにも数学を使ったかのように書かれていますが,実は「相関関係と因果関係のごまかし」であることが多いです.昔からそのことは主張していますが,ふと古本屋で買った本に,とても分かりやすい例が書いてありました.
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訳者の一人の赤根洋子さんは,あの本の訳者さんですね.
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%88%E5%85%88%E7%94%9F%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%BD-%E3%83%AD%E3%83%AB%E3%83%95-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3/dp/4167651300/ref=sr_1_1/503-3155166-5087134?ie=UTF8&s=books&qid=1176394198&sr=1-1
ドイツ語が御専門のようです.


ところで相関関係と因果関係のごまかしの例ですが,以下のような例が載っておりました.

常識のウソ:肥満は健康の敵?(178番目)

(前略)
仮に頭のハゲた男性の方が毛のある男性より高収入だと統計で証明されても,髪の毛を剃ったら収入がアップするとか,逆に収入がアップすると毛が抜けるのだとか考える人はいないだろう.収入と髪の毛とは両者に共通する第三の条件,つまり年齢によって変化するのだと考えるほうがふつうである(年齢とともに,一般に髪の毛は薄くなり収入はアップする).
(後略)

著者は統計学の専門家だそうです.生兵法的に確率統計学を勉強している私としましては,今後,この例えを使わせて頂きましょう.
他にこの本でアホな私が知ったことは,「ニンニクは胃の中から臭う」のウソ(157番目),「バスチーユはパリ市民の襲撃を受けた」のウソ(168番目)などです.まだまだ勉強が必要なようです.