ポアンカレ予想 by 日本数学会
本日届いた「数学通信」(日本数学会の会報)に,東工大の小島定吉さんが中学生を対象にポアンカレ予想について講演したPowerPoint資料が載っていました.正統的な方法で,「3次元球面」の説明をしたようです;すなわち,
- 3次元空間の中の2次元球面(地球の表面みたいなヤツ)は,(2次元)平面で切り取ると,切り口は1次元(円周,または見る方向によっては楕円周)になる
- 4次元空間の中の3次元球面は,(3次元)平面で切り取ると,切り口は2次元(円,または楕円)になる
以前にもお伝えしたAndrew Hansonさんは,これを可視化したことがあります;すなわち,
- 2つの2次元平面図形を用いて,3次元図形として立体視することができる(赤青メガネとか,ランダムドットステレオグラムとか,平行法・交差法とか...)
- 2つの3次元図形の2次元への射影図形を用いて,4次元図形を立体視することができる(平行法か交差法)
でした.IEEEの論文誌に掲載された記事で見ました.
小島さんは,以前に応用数理学会で招待講演をした時も,パソコンをインタラクティブに使って大変楽しい講演をして下さいました.ペレルマンさんは微分幾何学を駆使してポアンカレ予想を解決しましたが,超一流のトポロジストの小島さんの解説は,私もぜひ聞きたかったです.私は,敢えて二分法で分類するなら,リーマン幾何学をやってるぶんだけ位相幾何派じゃなくて微分幾何派かもしれません.結び目理論なんかは物理学や情報科学と相性が良くて得意ですが,低次元位相幾何学は私はイメージ力が弱いので(バカなので...)苦手です.