日本のスーパーコンピュータ事情

http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/01/07/supercomputer/

以上、見てきたように、日本のスパコン技術が米国を凌駕する強みがあるとは思われない。

この記事で触れられていないことがあります.恐らく,意識的にだと思いますが.
ハードウェアじゃなく,スパコンに関しては,日本は人材が凄いのです.
最近では,理研の渡辺さんがクレイ賞をもらって話題になりました.
404 Not Found | 理化学研究所

シーモア・クレイ賞は、高性能計算システムに対する革新的な貢献を通じてSeymour Cray 氏(Cray社の創設者)の示したcreative spiritを最も体現した個人に贈られる賞で、IEEE computer society により1997年に制定されたものです。日本人が受賞するのは、渡辺プロジェクトリーダーが初めてになります。

「私は物理学者なのですが,なぜか数学やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング:高性能計算)の分野に引っ張り出されて...」が口癖の,小柳さんもバリバリの現役です.
http://www.kogakuin.ac.jp/news/200604/1901.html
HPC関係者で,小柳さんのスパコン国際会議レポートを知らない人はいないでしょう.
Oyanagi's Conference Reports
スパコンによる流体力学の数値シミュレーションで,野球の「魔球」の謎を解いたとして有名な姫野さんも有名です.
研究紹介 | 理化学研究所
「姫野ベンチ」でも有名ですね.
当時助手だったために長らくちゃんと評価されていなかったと思っているのですが,GRAPEを作ったことは科学技術上,凄い貢献があったと思う,牧野さんもおられます.ついに教授になられたようで,なによりです.
http://jouhoukoukai.nao.ac.jp/reslist/res.asp?ID=21447
あと,小柳さんと同様,数学者か計算機科学者か迷う超一流の学者として,一松信先生もご健在です.
一松賞,創設
欧米にも優秀な方々がおられますが,日本も全く負けてはいません.むしろスパコンの分野では,「Japanese researchers have said ....」と引用されることが多いです.

前にも書きましたが,「ペタフロップス級の計算機ができたら,それで何をするのか?」と,聞かれることがあるそうです.
小柳先生の答えの一つは,「宇宙を作る」.明快です.ビッグバンからの素粒子レベルのシミュレーションをしたいそうです.素晴らしい.