アリス・イン・ワンダーランドを見てきた

もちろん,字幕3D版を見てきました.
面白かったですね.期待の100倍の衝撃,というわけではありませんが,過大に期待していたのを裏切らずそこそこ楽しい感じで.
3Dならではの文句も出てますが,やはり普通のメガネをしてさらに3Dメガネをするのは少しキツイこと,それから3Dメガネ有り無しで比べてみると,かなり暗くなっていました.映画館の設備によるとは思いますが.

こちらが3Dメガネ.ごっついですね.


なんか,少なくとも前半のルイス・キャロルの原作に忠実な部分は,シーンもキャロル(ドジソン)のイラストに忠実だったようです.
下手なイラストのドジソンですが,いびつに背が伸びてしまったシーンやそれで窮屈そうなシーンは,ドジソン自身のイラストにそっくりでした.
あと,ほとんどバートンオリジナルの後半でも,ジャヴァウォッキーは明らかにテニエル画の「鏡の国のアリス」のものにそっくりでした.

前半は険しい顔をしていたアリスが,後半で(戦闘シーンは除いて)ときおり見せる笑顔が良かったです.あとは狂い帽子屋(もちろんジョニー・ディップ)の役割は圧倒的で,それから不思議さでは圧倒的なチェシャ猫も,予告編では伏せられている存在感抜群でした.
原作等と比べて,一番存在感を後回しにされたのは(それなりに重要な役割なのですが...)は,いもむしでしょうか...ディズニーアニメ版では,存在感抜群で,テニエルの絵でもダブルミーニングを指摘されたりと大きな存在感だったのですが...

Largestフェチ(巨大女性マニア)で言い寄られるアリスが見られるとは...理解できなかったギャグも多かったので,もう一度見たいです.
まぁギャグよりも,たぶん,セリフの発音を色々工夫しているようで...かなり英語は聞きにくい役が多いです.

ちなみに字幕は石田泰子氏.「韻を踏んでる?」とか「Mで始まる単語」とか頑張ってはったように思えますが,映画や翻訳に詳しくないので,どの程度の方かは存じません.なっちゃんよりはマシだったんだろうと想像していますが.

善悪をハッキリと分けてしまったのも,かのクトルゥー神話の遍歴を彷彿とさせますね.
これはこれで面白いんだから,改悪と決め付けてはいけないと思います.ラブクラフト版のクトルゥーを読みたかったら,キャロルの原作を読めばよいのです.


映画の総論はさておき,各役者の評判や人気はあがるでしょう.
アリス役のミア・ワシコウスカ,狂違い帽子屋役のご存知ジョニー・ディップ,そして実はラストに流れた主題歌を歌っているアヴリル・ラヴィーン当たりは特に.

某日本人のアイドル女優がイベントで白の女王っぽい衣装を着たイベントをやったそうですが...ダメです.優雅さが違います...


あと今回,一つだけ発見.Wikipediaを見てから調べてみて.
長らく,「アリス・イン・ワンダーランド」って,日本語訳された「アリスの不思議の旅」からの重訳だと思っていたのですが,サイレント映画の時代に既に海外で「Alice in Wonderland」になっていたのですね.
キャロル自身による小説のタイトルは違って,「Alice's Adventures in Wonderland」です.