自然界の数学

ネズミの増え方から黄金分割の美まで,分かりやすい例えがあることからも有名なフィボナッチ数列についての話題が続いて出ていました.
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Plants with spiral patterns related to the golden angle also display another curious mathematical property. The seeds of a flower head form interlocking spirals in both clockwise and counterclockwise directions. The number of clockwise spirals differs from the number of counterclockwise spirals,
(中略)
These numbers have a remarkable consistency. They are almost always two consecutive Fibonacci numbers, which are another one of nature's mathematical favorites. The Fibonacci numbers form the sequence 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21 . . . , in which each number is the sum of the previous two.
超訳
黄金角に関わるらせん状のパターンがある植物は,他にも特徴的な数学的特性がある.花の中の種群は,時計回りと反時計回りの両方向の螺旋を描く.時計回りの螺旋の「数」は反時計回りの螺旋の「数」とは異なり...
(中略)
これらの「数」には,注目すべき特徴がある.これらは大抵の場合,フィボナッチ数列の連続した2数となる.これは自然が数学を好む例と言える.フィボナッチ数列は,1,1,2, 3, 5, 8, 13, 21 . . . ,というような数列で,隣り合う2つの数の和が,次の数となる.

http://www.einstein1905.info/whatsnew/2007/04/0704_fibonacci.html

自然界に多く見られるフィボナッチ数列の起源に対しては「おそらくエネルギーを最小にするからだろう」とは長く考えられていたが,具体的な説明が試みられたのは初めて(PhysicsWeb)とのこと.

フィボナッチ数列ではないのですが(いや,ひょっとしたら関係があるのかもしれません),結び目理論とエネルギー最小化問題が関係あることは,奈良女子大の落合先生によって示唆されたことは業界では世界的に有名です.

落合先生と今藤さんの仕事には,ずいぶん影響を受けました.
CiNii 論文 -  結び目理論研究支援ソフトウェアにおける自明な結び目判定アルゴリズム

結び目が自明であるか否かを判定するアルゴリズムは, 3橋結び目などの特別な結び目においてしか知られていない. 本講演では, 3種類の変形パターンからなるライドマイスター変形, 有限個のライドマイスター変形を組み合わせて得られるウェーブ変形, 更にこれらとは別のブロック移動, 逆ケーブル操作という曖昧な変形を導入した非決定性のアルゴリズムについて紹介する. このアルゴリズムは, 我々が開発した「結ぴ目理論研究支援ソフトウェア」において既に実現されている.

(「結ぴ目」って...変換ミスなのか,スキャンした時のOCRの読み取りミスなのか...)

私も落合先生に色々と数学を習い,下記の本のコンピュータ・グラフィックスの一部も作成したのですが,本には名前は載らず,「一冊あげるよ」で済まされました(笑).
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E7%B5%90%E3%81%B3%E7%9B%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E5%85%A5%E9%96%80-%E8%90%BD%E5%90%88-%E8%B1%8A%E8%A1%8C/dp/4795201099
大学院に居た頃,一般相対性理論のRegge Calculusと初歩的な数学のガウス・ボンネの定理の関係を指摘して下さったのは,落合先生が始めてでした.