長野県がHIV汚染全国2位

こんな記事がありました.

HIV汚染全国2位なのに対策費減額

最近はあまり大きなニュースにならないが、HIV感染者・エイズ患者は相変わらず増え続けている。ところが厚労省統計の過去3年間の都道府県別の感染・患者比率を見ると奇妙なことに気付く。1位の東京は当然としても、2位は大阪や神奈川ではなく長野県。06年の届け出数は感染者・患者合わせて27人で全国平均の1.6倍もある。教育県で知られる長野がなぜ? しかも村井仁県知事は「特殊な仕事に従事している人たちのこと」とエイズ対策予算を削減するという。大丈夫か長野県?

日本の各都道府県の状況については,以前に書いたことがありました.
http://d.hatena.ne.jp/tullio/20061105/1162735749:TITLE
その時,HIV感染者・AIDS患者数の人数の上位・下位の7番目まで書き出したのですが,「長野県」という名前は登場していませんでした.そこで,その後状況が変わったのかと思い,厚生労働省のページを見てみました.
http://api-net.jfap.or.jp/mhw/survey/mhw_survey.htm:TITLE
2006年の感染者・患者を合わせた報告数の,上位7番は以下のとおりです.

順位都道府県名人数
1東京112人
2大阪39人
3愛知31人
4神奈川18人
5栃木13人
5静岡13人
7茨城8人
7福岡8人
長野県は...5人です.過去の累積や,過去のデータを見ても,27人という数字もざっと見た感じでは見つかりませんでしたが,少なくとも「長野県が全国2位の汚染地域である」というデータはどこにもありませんでした.たぶん,見ているデータが違うのだと思いますが,どこを見ても長野が2番目というデータは見つけられませんでした.
だいたい,「全国平均の1.6倍」って,全国平均って何なんでしょう?「ありとあらゆる病気の報告の中のHIV感染・AIDS患者の数の割合」?それとも,「県人口に対するHIV感染・AIDS患者の人数の割合」?

実際、東京都では発症前の検査で感染が判明した事例が届け出数全体の7割を超えているのに対し、長野県では発症してから初めて感染が判明する事例が6割に達している。

と書いてあるので,多分,全報告の中の割合だと思うのですが,http://www.hws-kyokai.or.jp/:TITLEhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/index.html:TITLEを探しても見つかりませんでした.
この辺を読まないと分からないのでしょうか...

分かった.Webマスコミって,情報源(参考文献とか)を書かないから,自分で確認できず,信用できない雰囲気を感じてしまうのかも.