林檎百科

http://www.mactechlab.jp/Old%20Mac/files/c08c426b8f3186cd16133d9332d18c31-38.html
僕が持っているのも,初版1刷です.
上のブログの人も,前半で

だからもし「当時の様子を簡単に把握できる資料は?」との問いがあるなら、この「林檎百科〜マッキントッシュクロニクル」は格好の資料になると思われる。

と言っていますが,僕もそう思います.
たまたま今日,最初のほうを読み直したのですが,最初の章の最初の節が(ハッカーにとっては)実に名文なので(編者 SE編集部,とだけ書いてあって,誰の文章かは分からない),前文引用してみます.

ハッカードリーム

今にきっと,みんなが,コンピュータが魔法の力を持っていることを知るときがくる.人は,コンピュータを使わなければいけないんだ.

 1950年代から1960年代にかけて,アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)に今までにない考えと行動様式を持つ新しい人種が生まれた.彼らこそが,コンピュータに魅せられ,プログラムの迷路に迷い込み,コンピュータに夢を見る最初のハッカーたちである.
 彼らはそのたぐいまれなプログラミング技術によって,人工知能(AI)や後のメディアラボの活動につながる研究の基礎を作り上げたが,それと同時に彼らは独自の倫理,ハッカー倫理というべきものを作り上げていった.
 ハッカー倫理によれば,コンピュータであれ,何のシステムであれ,その仕組みを知り,理解し,利用しようとする人たちのすべてのアクセスは全面的に認められなくてはならず,さらに情報はすべて自由に利用できなければならないのである.このため,自社から派遣したシステムエンジニア以外の人間にはいっさいコンピュータに触れることを許さないIBMは,ハッカーの敵であった.IBMのコンピュータでプログラムを実行するためには,青い背広に白いボタンダウンシャツを着たIBMシステムエンジニアに,カードをパンチしたプログラムを渡して”どうかこのプログラムをコンピュータで実行してください”とお願いするしかなかったのである.
 IBMに象徴される官僚主義ハッカーたちは心から憎んだ.彼らは,誰もが自分たちと同じように創造的な気持ちを持ってコンピュータに向かうようになれば,世界は今よりもずっとすばらしくなるに違いないと信じていた.そしてこの夢を実現するために必要なのが,個人が自由に使える個人のためのコンピュータだということをおぼろげながらも感じ始めていたのである.
 1960年代後半,MITのハッカーたちの多くが全米各地に散り,そのハッカー倫理を広めることになる.こうして革命の種は蒔かれたのだ.

僕はもちろんMITでは無いですけど,結構,たくさんの「革命の種」を蒔いたんじゃないかなぁと思います.