微妙な読売社説

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060927ig91.htm
ここだけ読んだら,「死刑になったぜ!おーけー!」ってはしゃいでるように読めますよね.
冒頭です.

[奈良女児殺害]「被害者1人でも極刑を免れない」
 殺害された被害者がたとえ1人でも、残虐で悪質な犯行であれば、極刑を免れないことを示した司法判断だ。

ところが,記事の末尾では,

 奈良市の事件を機に、性犯罪の再犯率をほぼ半減させたというカナダを参考に、刑務所などで矯正教育が義務化された。だが、日本で職員1人が担当する受刑者数はカナダの4・5倍だ。

 子どもへの暴力的性犯罪者の出所後、警察が居住地などを原則5年以上登録する制度もできたが、7月末現在で186人のうち、13人の所在はわからない。

 欧米では、居住地を公開したり、警察への申告を義務付けたりする例もある。だが、日本では、出所時に所在を正しく申告する義務などはない。

 法務・警察当局は、矯正教育と再犯対策の現状を点検し、必要なら、新たな法整備も検討すべきだろう。

となってます.末尾を読むと,「単純に死刑にして終わり,じゃなくて,犯罪者の更正や再発防止,被害関係者の救済に対し法整備を進めるべき,というまともな意見が読み取れます.
冒頭と末尾で小論文としては矛盾がありプロの文章としては恥ずかしい気もしますが,結論となるべき末尾の文章は至極まっとうなように思えます.


読売新聞にも,まともな文章を書ける,社説を担当できるレベルの人材がいた.と考えてよいのだろうか.