続・記憶を書きかえる

多重人格(解離性同一性障害) - なぜか数学者にはワイン好きが多い
通勤電車の中で読んで,やっと半分ほどいきました.
面白かったのは,全300ページの本の1割以上を裂いて,過剰なジェンダー論,幼少のトラウマ論を徹底的に批判しているところです.本人は中立の立場として書く,と冒頭で述べておりますが,懐疑的に見ているとしか読めない約30ページがありました.


それにしても,この20年ほど,アメリカで大ブームの「近親相姦的児童虐待」が,日本ではそれほど話題にはなっていません.人口がアメリカの方が多いせいだったら,その割合(日本はアメリカの半分くらいの人口)で事件が起こっていても不思議ではないはずです.日本人に隠す性癖があるせい?いや,それなら,日本以外の国の説明がつきません.圧倒的にアメリカで,血の繋がりが近い人間に性的虐待を受けたという報告が多いのです.なぜなんでしょうね.


あまり良い資料じゃありませんが,手元にこんなのがあります.

雑誌「imago(イマーゴ)」1993年6月号.特集:幼児虐待,「性的虐待とその影響」斎藤学,pp. 43--51

既述したように,日本の公式統計では性的児童虐待の実数はごくわずかであるが,これは実態を反映しているというよりも,日本の社会がこの問題,特に近親姦をタブー視し,否認しているためであるように思われる.

まるで他国では,タブー視されていないかのような文章ですね.いつまでもこんな論文がまかり通っているので,心理学や精神医学が科学じゃないと言われているように思われる.