『日本以外全部沈没』10点(100点満点中)

超映画批評『日本以外全部沈没』10点(100点満点中)

作り手には、オリジナルを深く研究する時間も予算もなければ、この物語の舞台となる国際政治についての知識もない。だから知的なユーモアなど望むべくもないし、社会風刺だってできるはずもない。結局、いつものバカ騒ぎをやるしかなかったという、ほとんど同情したくなるような内容だ。

金正日中韓ネタもあるが、笑いとしては底が浅く、ただ面白そうだから出したというだけ。素人丸出しで痛々しい。バカな映画ではあるが、バカ映画にすらなれていない。内容は、一見外国人が激怒しそうなものだが、あまりにレベルが低すぎて、これを見て怒る外国人などほとんどいまい。

日本沈没』が東宝の手によって大作としてリメイクされるということで、いっちょ便乗してやろうというだけの安直企画。原作に対する愛も尊敬も感じられず、準備期間の不足も明らか。スタッフの人選にも疑問が残る。

小規模なレイトショー公開ではあるが、最初にあげた人々以外の人がこれを見る理由は、一つも見当たらない。

これって,実に忠実に原作に従って映画を作ったってことですね.
この人,文章を読むと,どうもその辺が分かっていないように思えます.映画には詳しくても,小松左京筒井康隆について知らないのではないでしょうか.

筒井康隆による有名なパロディ短編『日本以外全部沈没』がある。

とか書いている割には,読んでいないのではないかと思えてしまいます.
時間と予算をかけて,国際政治の知識や知的なユーモア,社会風刺を盛り込み,安直さをなくした「日本以外全部沈没なんて,逆に原作に対する愛も尊敬も感じられなくなってしまいますよ...

筒井康隆小松左京のバカゲタ小説や,予算をかけて作って宣伝したわりにはアホな昔の映画,知ってるのでしょうか.

まあ,話題になって復刊されたりするのは良いことです.
http://book.asahi.com/trendwatch/TKY200608280079.html