科学者が好きな研究ができない世の中

日本数学会の秋季総合分科会の原稿と,日本応用数理学会年会の原稿をなんとか送りました.

さて,私はこれらの研究は,科研費(文部省科学研究費補助金)でやってます.理由は,私がこれらの研究が職場の研究と直接的に関係があることを明確に説明できないからです.いわゆる数学が人の生活の中でなんの役に立つのかって問題で,これを全身全霊をかけて職場に納得させて職場の金で数学をやるよりも,自分で科研費を取って細々とやる方を選びますた.

しかし発表する時は,職場の名前が肩書きとして付きます(でないと,在野のトンデモさんと区別されない可能性が).職場の名前が出る以上,職場に「発表伺い」を提出しなければなりません.一応,「科研費の研究」と書いたのですが,一悶着ありました.

「これは何で,キミはどこに発表すると言うんだね?!」

...ま,それまで出していた発表伺いのタイトルと,あまりにも違うタイトルだったので,ビックリされたようでした.確かに私の説明も足りなかったので,謝罪して趣旨を説明したところ,快く許可を頂くことができました.

科研費の研究は,勤務時間にすることはできません.勤務時間外に,細々と趣味でやるということが社内的に決まっています.私は子供の頃から,コンピュータ関係で飯を食いながら趣味で数学の研究をやると決めていたので,何の不満もありません.