エコ家電のウソ

しんぶん赤旗」が,「グリーン家電のウソ」というキャンペーンを張っているようです.
液晶・プラズマテレビ/グリーン家電 真っ赤なウソ/消費電力・電気代 表示の2倍

 本紙が、昨年夏購入の液晶テレビ37V型で測定してみました。現行の測定方法に沿って、1日視聴時間4・5時間、待機時間19・5時間で計算すると、年間の消費電力量は約344kWhとなり、年間電気代は7568円(1kWh当たり22円で計算)。メーカー表示の年間消費電力量約166kWh、年間電気代3652円と比べて約2倍となりました。

 また、ブラウン管テレビ(25型)の年間の消費電力量を測定すると約144kWhでした。液晶テレビ(37V型)に買い替えると大幅増に。画面の面積当たりで比較しても、100平方センチ当たりブラウン管テレビ約8・3kWh/年に対し、液晶テレビは約9・1kWh/年でした。

省エネどころか増エネに/エコに逆行、政府の「エコポイント制度」/液晶・プラズマテレビにみる

 『省エネ性能カタログ』(2008年冬版)では、液晶テレビ32V型、デジタル放送受信対応、垂直方向の画素数650以上1080未満の5つ星と1つ星の製品の年間消費電力量と年間電気代を比較。5つ星を選ぶことで、年間消費電力量は107kWh削減され、「電気代にすると1年間で、約2、400円おトク!」と掲載しています。

 ところが、年間消費電力量の現行測定方法が、実際にテレビを視聴する方法と違っているのです。本紙が実測すると、約2倍にもなりました。実用状態を反映しない年間消費電力量をもとした年間電気代を示すのは、消費者を欺くものです。

画面の単位面積当たりでも,ブラウン管よりも液晶の方が消費電力が大きい?!
イメージ的には,液晶の方が省電力な感じがしますが...
実際,パソコンのディスプレイだと,例えば同じナナオの17インチディスプレイのブラウン管と液晶だと,
http://www.eizo.co.jp/products/discontinued/lcd/fs_plaseo/index.html
http://www.eizo.co.jp/products/discontinued/crt/fs_54t/index.html
カラー液晶モニタ Flex Scan PLACEO LCD→消費電力45W
カラーモニター FlexScan 54T→消費電力115W

他,ビクターやシャープのテレビでも比べてみましたが,画面の大きさが同じなら,メーカ発表によれば液晶の方が消費電力は少なかったです.
かと言って,「赤旗」がウソの報道をすることは極めて少ないので,なぜこのような乖離が出たかを考えますと,思い浮かぶのは次の2点です.

  1. 新しい液晶テレビは,付加機能が電力を食う
  2. 赤旗」では画面サイズの違う機種で電力を測定し,それの単位面積当たりの電力を比べているが,面積と電力が比例関係にあるとは限らない

恐らく,「メーカの消費電力や電力料金の測定方法が現実的ではない」という「赤旗」の主張は正しいのでしょう.
しかし,比べるならば画面サイズが同じ機種で測定しないと,誤った結論が導き出されます.
赤旗」さんも,もう少しツッこんで調べてみて頂きたいものです.