情処全大2009

以前に書きました通り
ベイジアン・モンテカルロ数値積分法 - なぜか数学者にはワイン好きが多い

次の3月の,春の情報処理学会全国大会(立命館大学くさつ・びわこキャンパス)の原稿〆切が近いので追い込みをかけていたのですが,一応,と思って粒子フィルタについて,英語版のWikipediaを見ると,日本人の名前が一つもありませんでした.Gordonや,condensationの単語すら上がっているというのに.日本版も訳しただけのようで,事情は同様でした.
なので,Wikipediaの参考文献の一番古いもので1999年発表の論文,統計数理研究所の北川先生の論文は1996年で,どう考えても北川先生の研究が先駆けの一つであることは間違いないので,英語版と日本語版の両方に,参考文献に北川先生の論文を追加しておきました.

Particle filter - Wikipedia
粒子フィルタ - Wikipedia

Gordon先生の論文はともかく,Isard氏のcondensationの発表については,和歌山大学の和田先生がずいぶん怒っていたのを覚えております.
マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を利用した研究は統計学でも統計物理学でも昔からあるのに,Isard氏のコンピュータ・ビジョンについての論文では,過去の業績にはほとんど触れられていず(先生曰く,恐らくわざと書かなかったのだろうと.),あたかも自分が最初の発見者かのように書いている,とのことでした.


もっとも,Isard氏のページでは,Gordon氏や北川氏についてのページにもリンクが張られていますね.
実は本当に知らなくて,あとから指摘されて知ったのでしょうか.
その辺りまではまだ調べていません.和田先生とも久しくお話ししておりませんので.


ただ,和田先生の元で良い仕事をなさっていた加藤先生が,和歌山大からNICTに移ったのは驚きました.昨年の9月に国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学で行われた日本VR学会で,産総研の大隈氏と当の加藤氏と3人で話をしている時に知りました.


研究者はみなさま色々あって大変なんですねぇ...