専用スーパーコンピュータ

Webの記事って,信用できないなぁと思うことが多いのですが,
【Watcherが薦めるこの一冊】スーパーコンピューターを20万円で創る | 日経 xTECH(クロステック)

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スーパーコンピューターを20万円で創る
伊藤智義

この最高のドラマを、読みのがすべからず。

本書「スーパーコンピューターを20万円で創る」は、世界で最も有名な専用並列計算機GRAPEを創った四人の物語であると同時に、著者、伊藤智義の自叙伝でもある。

まず、「GRAPE創世記」として。この四人の長であった杉本の「手作りスーパーコンピュータへの挑戦」が絶版となった今、「中の人」によるものとしては、手軽に手に入る唯一の一般書である。GRAPEの黎明期の有様は、立花隆の「電脳進化論」でもある程度伺い知ることが出来るが、立花ほどの書き手であっても、それが「外の人」によるものであることは、本書を読めばすぐにわかる。例えば戎崎と著者の確執というのは、外の人には絶対に書けない。

このライターさんの記事,たまに目についてしまいます.
この本も,買おうかどうか迷っているところでした.
著者には直接お会いしたことはありません.どのような方かは記事にも書かれておられまして,

あきれることに、「カメラマン」としても、この人はプロなのだ。伊藤はまぎれもない第一線の研究者でもあるが、ノンフィクション漫画「栄光なき天才たち」の原作者でもある。本書には、漫画原作者伊藤智義も登場する。その上あきれたことに、伊藤はもう一つの「夢」も実現してしまう。

そう,あの「栄光なき天才たち」の原作者で,そののち,コンピュータ関係でアラン・チューリングやエイダなんかを書いた「BRAINS」の原作者でもあります.

という,一度お会いしてみたいお方なのですが,

GRAPEだったら,牧野さんなのでは?

と思う方も多いのではないかと思います.最も,お二方,仲は良いようで,「栄光なき天才たち」の,一巻だったかな,当時東大の助手だった牧野さんがご自分の写真入りで,中表紙に推薦文を書いておられました.

ちなみに牧野さんは,Web上では,シンプレクティック数値計算法&シンメトリック数値計算法の講義資料の公開でも(一部では)有名です.「数理科学」誌に書かれた牧野さんの記事には,私もお世話になりました.
(吉田春夫先生のシンプレクティックの記事と並んで,仲間うちでは「数理科学誌のY&M」と呼んでいます)