アマチュアがプロに噛み付いてみた結果.

http://blog.hokkaido-np.co.jp/yone-b/archives/2007/04/winny.html

産総研高木浩光氏の記事を読みましたが、権力者側からの視点で書かれているように見受けました。たとえば、高木氏の記事中

> 警察庁は、当該ファイルを入手して事実確認をしたのだろうが、当然ながら、Winnyを使わずにしているだろう。

と書き、権力者のやり方を全面信頼されております。彼の立場ではこう書かざるを得ないのでしょう。

ここまで大爆笑をそそるコメントは珍しいと思います.速攻でコメントが入っていますが...

まず、高木浩光氏がどういった活動をされているかを把握した方がよろしいです。
高木氏のエントリにある「警察庁は〜」の下りは脚注がつけられているように「シニカルに述べている」フレーズです。ここを指して「高木氏は警視庁のやり方を鵜呑みにしているのだろう」と解釈されるのはかなり軽薄です。

それから Winny のしくみについて知らなさすぎです。
高木氏のエントリに「Winny を使って『ダウンロード』する行為は、単なるダウンロードではない。」以降をお読み下さい。Winny におけるダウンロードと、ウェブブラウザを用いたダウンロードを同じ事と思われているかもしれませんが、違います。

コメント全文を引用してしまいましたが,元記事が匿名だったので許可を取ることができないと思われたため...御了承頂けますと幸いです.
で,上記にある「高木氏のエントリ」というのは,以下です.
高木浩光@自宅の日記 - 北海道新聞の記者がWinnyを使って流出ファイルを入手したことを公言しているが自分のやっていることがわかっているのか

警察庁は、当該ファイルを入手して事実確認をしたのだろうが、当然ながら、Winnyを使わずにしているだろう。共有せず、ダウンロードだけしかしないプログラムを使って調査しているはずだ。*1

こういうことが新聞社サイトに堂々と書かれているのを見た人々が、適法行為だと勘違いして、真似するようなことにならなければいいが。

高木さんが警察や司法関連を(御自分も公僕であるにも関わらず)批判し続けていることは,何日かの日記を読めば分かると思います.北海道新聞社は比較的良心的だと思っているのですが,今回は批判した相手が悪かったです.詳しく調べもせずにプロ中のプロを安易に非難してみたことから,次のような顛末になってしまいました.

【追記】
この記事へのコメント公開はしばらく休ませていただきます。ご容赦ください。

http://blog.hokkaido-np.co.jp/yone-b/archives/2007/04/winny.htmlより)


私はもちろん,専門家の言葉を盲目的に聴くべきと言っているわけではなく,むしろ逆です.ただ,「無知は罪」なので,調べもせずに文句を言うことは,特にメディアの人がやる場合には罪悪になり得ます.私のような物書きが,間違ったことを書いたら猛烈な非難を受けるように.
物事を発信する立場にある人は,可能な限り1次情報源に当たり自分なりに調べ自分の考えをまとめ,情報を発信しなければと,改めて思いました.