フランス大統領候補者とフリーソフトウェア

フランス大統領候補者、フリーソフトウェア関連の問題について語る | OSDN Magazine

 候補者のほとんどにはっきりとした回答内容の違いが出た質問は、オープンスタンダードとフリーソフトウェアを促進する政府組織を支持するかどうかというものだった。ただしここでも、その違いは主として支持の度合いにあった。Besancenot、Bove、Buffet、Le Pen、Voynetの各候補は皆、オープンスタンダードとフリーソフトウェアの双方を奨励すると答えた。異なるのは、Le Pen氏が約束するように単に「奨励」するのか、Voynet氏が述べるように両者を支持する政策を実施するのか、Buffet氏が掲げるようにそれらを促進する機関を設置するのか、という点だけだった。これに対し、回答者のなかでも有力候補であるBayrou氏とRoyal氏は、より慎重な見方をしており、そのような支援は担当政府機関の基準によって調整しなければならない、と述べている。特に、Bayrou氏はオープンスタンダードおよびフリーソフトウェアの普及促進よりも「公的資金の活用」、「利用の自由」、「待遇の均等化」といった原則のほうが重要だと指摘する。

 全体的な印象として、大部分の大統領候補者は、フリーソフトウェアの問題についてかなり理解しているように感じた。そのうち少なくとも2名が Richard Stallman氏と面識があることを強調し、ほかの数名もフリーソフトウェアコミュニティとある程度の馴染みがあるようだった。こうした意識は従来の範囲を超越しており、共産および社会主義の各党派も国民戦線フリーソフトウェアへの関心を表明している。おそらく、数週間後に決戦投票が行われることがほぼ確実と見られる今回のような接戦では、フランス国内のフリーソフトウェア活動家が握る団体票を少しも逃してはならない、と各候補者は考えたのだろう。

長めの引用になってしまいましたが,恐らく日本とは状況が違うなあと考え,紹介する価値があると思ったので文章をお借り致しました.
注目すべきは,「全体的な印象として、大部分の大統領候補者は、フリーソフトウェアの問題についてかなり理解しているように感じた。そのうち少なくとも2名が Richard Stallman氏と面識があることを強調し、ほかの数名もフリーソフトウェアコミュニティとある程度の馴染みがあるようだった。」という点です.日本の首相及び元首相の方々では考えられません.
ただし「各候補者の回答はWebサイトCandidats.frにPDF形式でポストされているが、以下にその内容をかいつまんで紹介する。」とあったので,Candidats.frにアクセスしてみたのですが,PDFの内容はフランス語で,私の読解力では内容を把握するのは無理でした.リチャード・ストールマンとの面識があることを強調した「少なくとも2名」がどの候補者なのかを知りたかったのですが...

なにはともあれ,フリーソフトに関心が向くのは良いことですが,一方で,グルであるストールマンが数十年に渡り頂点に君臨し(良い意味で,ですが),他のカリスマハッカーがなかなか目立たないことは問題だと思います.
rubyのまつもとひろゆきさん辺りは格好の候補ですが,会社員であることから,発言力・発言内容に制限がかかっているところが仕方が無いところです.Mozilla日本法人辺りが常勤で研究員としてまつもとさんを雇えると良いのですが.