Skeptical Inquirer誌 2007年第1号(続き)

Skeptical Inquirer 2007年第1号 - なぜか数学者にはワイン好きが多い
読んでいくと,他にも面白い記事がありました.
例えば,こんなやつ.

Do They Have Your Numb3r?
CBS's popular Friday night drama uses --- surprise! --- mathematics, reason, and rationality to help the FBI solve major crime mysteries.
This is network television?
超訳
みなさん,自分の「数字」はあるのでしょうか?
CBSの金曜夜の人気番組は,なんと,数学と,論理と,推理を使っています.FBIの,謎の大事件解決のために.
そんなの,あり得るの?

「数学なんか勉強しても,生きていくのに役に立たない」と言うのが,数学を知らない人の定説ですからねぇ.
私は全然知らなかったのですが,Numb3rというのは既に2006年に入ってから日本でも放映されているらしく,ググったら沢山の日本語サイト(2ちゃんのスレッド含む)が引っかかりました.


この記事,数学大好き人間にとっては,色々,泣かせてくれます.

Episodes begin with a spoken tribute about the importance of mathematics: "We all use math everwhere. To tell time, to predict the weather, to handle money....Math is more than formulas and equations. Math is more than numbers. It is logic. It is rationality. It is using your mind to solve the biggest mysteries we know."
超訳
そのドラマは,毎回,数学の重要性を称える言葉で始まる:「我々はいつでも数学を使っています.時刻を告げる時,天候を予想する時,お金を扱う時...数学は公式や方程式だけじゃありません.数学は数だけじゃありません.数学は論理です.理性的な考え方です.私たちが謎に思ったことを解き明かそうとする時,数学はいつも使われているのです.」

これはライター,Skeptic Inquirerの編集者のKendrick Frazierの言葉です.


中でも良いのは,主役の若い天才数学者を演じる,David Krumholtzの記事の閉めの言葉です.

"My dream is that thirty to forty years down the line I might meet someone who says, 'I won the Nobel Prize because I watched you in Numb3rs.'"
超訳
私の夢は...いつの日か,30年か40年かあとに,誰かが僕にこう言いに来ることです.「私はノーベル賞を取ることができました.これも,あなたをNumb3rsで見たおかげです.」


記事でも最後に紹介されていますが,この番組はCBSテキサス・インストゥルメンツ社の後援を得て,面白いWebサイトを運営しています.
http://www.weallusematheveryday.com/tools/waumed/home.htm
毎回のドラマのストーリーに基づいた数学の話題を取り上げ,PDF形式のファイルで課題として読むことができます.
見てみると,話題は純粋数学から計算機科学まで多岐に渡り,すばらしいです.
ああ,書き忘れましたが,このNumb3rsの制作者はカール・セーガン賞を受け,AAAS(米国科学振興協会)のシンポジウムでも取り上げられたそうです.
AAASについては,この間も数学の話題で取り上げたので,ご参照下さい.
バーコフ博士,AAAS会長に - なぜか数学者にはワイン好きが多い


でも,クルムホルツさんのように,俳優として科学を啓蒙する能力が無い私は,自分がフィールズ賞ノーベル賞を取る事を目指しましょう.
無理だった暁には...教育者になって,科学を広めたいと思います.