狂牛病とプリオン

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4791762533
2006年3月発行の本です.アメリカの人がアメリカ政府を批判しているのが面白くて,買って読んでしまいました.
もちろん,日本も徹底的に批判されています.

英国政府のとったBSE危機の対処法は他の国の教訓になるはずだったことに照らして見ると,BSEの危機に対する日本の対策がお粗末だったことは驚きであり,当初はそれを無視していた.
(中略)
1990年にジョン・ガマーが娘をまきこんで赤恥をかいたのを思い出させるような一シーンで,2001年10月に日本の武部勤農相はテレビカメラの前で焼肉をぺろりと平らげ,こんな旨い牛肉は初めてだと明言した.

その昔,カイワレダイコンでパフォーマンスした政治家もおりましたね.
でもカイワレのO157事件とBSE事件は大きく異なって,O157は食する生物間での感染は無いですけど,プリオンは感染が有り得るんです.肉を食べて本人が勝手に死ぬのは良いのですが,他人にうつされては迷惑です.それも,この本の中で指摘されています.

輸入国のうち,もっとも大きな被害を蒙ったのは日本だった.日本の農硬膜移植は1973年に始まり,やがて世界一の脳硬膜移植国になった.
(中略)
脳硬膜問題は日本でもっとも一般に知られた医療訴訟の一つとなった.2001年11月の大津地方裁判所の裁定で,日本政府とB・ブラウン社とライオドゥラを輸入した製薬会社は,製品にプリオンが混入したこと及び使用を許可したことに対して責任があると認定された.2002年3月25日に厚生労働省と製薬会社は,被害者20人の遺族に対して和解金12億円を支払うことを正式に同意した.

繰り返しますが,「BSEなんて潜伏期間も長いんだし,旨いもの食って死ぬなら本望」という人たちは,勝手に死んで下さい.危険な肉を持って人里離れて喰って死ね.周囲を巻き込むな.