トンデモ本大賞2006

今年もトンデモ本大賞に行ってきました.
写真は,左から植木不等式さん,皆神龍太郎さん,唐沢俊一さん,声さん,雷門獅篭さんです.

昨年の「世界一受けたいトンデモ授業」も大爆笑モノで勉強にもなるという素晴らしいものでしたが,今年の「と大学東京」も爆笑で腹筋が痛くなりました.
(まあ,と大学だけじゃなく,その後の雷門さんの落語ガンダム,山本会長のトンデモ本大賞ノミネート作品解説と,最初から最後まで笑っていたわけですが)

今年は確かに昨年や一昨年のような圧倒的なトンデモ感のある一冊は無いような印象もありましたが,結局大賞を取った
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は,よくよく考えると大賞を取るだけのトンデモさがあるなぁと思いました.

のっけからファイナンスを中心に「強い力」「弱い力」「重力」「電磁気力」の宇宙に存在する4つの力が結びつくという,ちょっと物理をかじってると頭がフリーズするような図から始まるといったトンデモ本なのに,(これはパネラーのどなたかも言っておりましたが)部分部分の物理の説明は概ね正しいことが書いてある.著者は物理はともかく経済は専門だから,その部分の記述も恐らくは正しそうなことが書いてある.突飛なアイディアが書いてある方が通りやすいとは言え,倍率はかなり高い科研費の萌芽の研究成果だという.(萌芽は,僕は今のところ3回応募して1回しか通ってません)
著者のページ
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/jyoseika/ken/vin/maeda_f.html(立教大)

を見ても,「量子ファイナンス工学」関連(助成金,業績の2箇所?)のところ以外は特にトンデモ的なキーワードは見当たりません.なのにこんなに凄い本が...

改めて,自分で考えずに活字や報道をそのまま信じてしまっては大変なことになると,トンデモ本の原点に立ち返ったような気分を味わいました.