アンケート分析分析

いまだにこういうのがありました.
デジタル生活応援サイト BCNランキング

パソコンを使っていてトラブルが起こったら,自分で解決するかどうかというアンケートだそうです.僕は常々,パソコンに限らず科学技術に関する知識の格差の問題について書いてますから,「2極化している」というのは賛同できます.しかし,

その結果「自己解決型」が60.5%と「他人依存解決型」の39.1%を大きく上回り、PCユーザーは自分で問題を解決する意識が高いことがわかった。


という結果はウソだと思います.理由は,末尾にあるアンケート概要です.

■調査概要
調査期間:2006年3月14日−15日
調査方法:BCNのWeb上でのアンケート
回答数:1321件

母集団数が1321というのは少ないですが,なんらかの目安を出すにはまあ良いとしましょう.しかし,パソコンに強く関心のある人が見るようなWeb上でのアンケートで,「自己解決型」の方が多くなるのは当たり前でしょう.その辺りを考慮した文章は,上記のページにはありません.


新聞等で,なんらかの科学技術についてウソの説明をしているのはよく見かけます.なぜなら,新聞記者さんなどは当然ながら文系の人が多いので,理系に関して間違いを書くことがあって然りだからです.しかしこのアンケートはパソコンに関する情報を提供するサイトで行われたものですから,統計的に明らかに誤った結論を出しているのは,恥ずかしいことと思われます.

僕が知っている,未だにWindows 95/98を使っているような少々年配の方々がパソコンを使っていてトラブルにあい,一番多い解決方法は「あきらめる」です.

下記は(統計に関連するという意味での)お薦めのサイトです.
『正しい統計データ』を使ってウソをつく方法 | 「いんちき」心理学研究所
http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson2.html