そもそもマスコミなんか信じるヤツがあほ,というのは置いておいて...

実は昨日,産総研の高木さんの


高木浩光@自宅の日記 - ブログからFUDへ? 眞鍋かをりは30個の「スパイウェア」のうちcookieの数を明らかにせよ

を読んでいて,「珍しく高木さん,変なこと言ってるなぁ???」と思っていました.僕だったら,常時接続してる一般の人のパソコンに,例えパソコンに詳しい(?)タレントさんのパソコンだろうが,たまたま本当に30種類のウィルスが入っていても別に驚きません.それを一つ一つウィルスの名前を調べて30種類公表する義務なんて,タレントさんには無いだろう,ってかウィルススキャン結果を高木さんに送って見てもらえば良い話で,「明らかにせよ」なんてヘンなこと言うなぁ.

と思っていたら,今日になって

高木浩光@自宅の日記 - 公正取引委員会は日本でこういうFUDを許すのか, トラッキングcookieがスパイウェアなら、EZwebの携帯電話は100%がスパイウェア..

なんだ,高木さんちゃんと自分で調べてくれてますやん!
別にタレントさんへの攻撃じゃなくて,ちゃんとしたマスコミ批判*1だったんですね.さすが.

さて,高木さんもなかなか怒れる男ですが,僕も大昔からあちこちで訴えているけど,なかなか納得いくように受け入れられていないことがあります.

それは,

一般の人たちの生活に深く関連する科学技術の中で,情報科学ほど知識格差が広いものはない.これが全ての問題の根源で,情報技術教育をきちんとしないと将来は何か大変なことが起こる

ということでした.初めて意識したのは大学院に入った頃でしたが,その後,小学校から大学まで,全ての学校で情報教育が始まり,状況はマシになりました.と信じてます.今,世間でパソコンの無知による事件を起こしているのは,パソコンを知らないにも関わらず情報教育を受けていない狭間の世代の人たちなのは間違いないと思います.(あ,高木さんみたく裏付けるデータを出さないとならないなぁ...)

逆に下手に詳しい子供がパソコンの知識を使って悪いことをするとかいう事件も起こっていますが,それは別にいいです.狭間世代の警察には分からなくても,僕らみたいな,「天才パソコン少年の犯罪」なんて聞いただけで原因も手口も対処法も分かるプロが,情報教育のおかげでいくらでもいるからです.

...その昔,僕も同じことをやりました.ってかやられました.師匠に,一瞬にして見抜かれました.UNIXでのお話ですけどね.

というわけで,

  • 「自分はなんとかハッカーかな」という人は,他の人へ本当の知識を教えよう
  • 「自分はあまり詳しくないかも?」という人は,本やマスコミ報道を鵜呑み(=マスコミビリーバー)にせず,真に信用できる人を見極める目を養い,その人のアドバイスを受けよう

と思います.

写真は,最後の第一世代ハッカーRMSこと,リチャード・ストールマン.古き良き時代に固執することを古いと言う人もいますが,私はストールマンを尊敬していますし,少なくともストールマンを知らない人のパソコン知識披露は,決して信用しません.

*1:この場合のマスコミというのは,アンチウィルスソフト販売会社の広告を含む