電子メールニュースレター of 電脳コイル

この間,こんな日記を書いたのですが,
日本バーチャルリアリティ学会二日目:電脳コイル - なぜか数学者にはワイン好きが多い
それについての学会からの速報が来ていました.

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堀 謙太 (群馬県立県民健康科学大学) のセレクション

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特別セッション
「アニメ『電脳コイル』に見るリアルとバーチャルの接点
〜複合現実感の未来実現形態を探る」

コーディネータ: 田村秀行 (立命館大学)
コイリスト: 稲見昌彦 (慶応義塾大学), 蔵田武志 (産業技術総合研究所),
酒田信親 (大阪大学)
特別ゲスト: 磯 光雄 (『電脳コイル』原作・脚本・監督)

本セッションは「電脳コイル・ワールドの概観」「AR/MRの視点からの分析」「MR
研究の進むべき道, 挑戦課題」の3部構成で, 「電脳メガネ」「電脳ペット」「電
脳アイテム」など本作品に登場する様々な電脳ガジェットを中心に, アニメ作品と
しての演出, および, 実際のAR/VR技術の観点から活発な議論が繰り広げられた.
議論の中で, メガネという形態をとった意図, 視覚と聴覚のみで触力覚など他の感
覚提示技術が使われていなかったことなどについて疑問が投げかけられた. 磯氏か
らは演出上の都合として視聴者にわかりやすい表現を追求した結果と説明されてい
たが, 一方で実空間の中で仮想物体が見えるだけでも大きなインパクトがあり, エ
ンタテインメント用途なら見せ方さえしっかりしていれば触力覚がなくても十分に
成り立つのではないかとの意見が示された. 本セッションと同日の午前中に開催さ
れたパネル討論「MR・AR・VRの現状」においても, VR産業がなかなか発展しない原
因としてコンテンツも含めた製品としてパッケージングする観点が欠けていること
が指摘されており, MR研究の将来として, 技術の追求だけでなく社会への普及も視
野に入れておくことの必要性が痛感された. 磯氏からの, 『電脳コイル2』は皆さ
ん(=我々)が作ってくれると信じているとのお言葉で, 本セッションは終了した.

電脳コイル オフィシャルサイト: http://www.tokuma.co.jp/coil/

「議論の中で,メガネという形態をとった意図,視覚と聴覚のみで触力感など他の感覚提示技術が使われていなかったことなどについて疑問が投げかけられた.」とありますが,主に産総研の蔵田さんが言ったものです.普通の人は,そんな疑問は思い浮かばないんじゃないかと思って聞いていました.
というのは,超現実的なマンガ,例えば「もっけ」(もっけ - Wikipedia)とか「陰陽師」(陰陽師 (漫画) - Wikipedia)とか,幻想的な余りイメージ以外の感覚,味覚,触覚なんかはほとんど感じなくて,若い人たちはたぶんそっちの方が慣れているだろうと思っていたからです.
蔵田さんはもう少し前のサイバーパンク世代なので,バーチャルな世界でのリアルな感覚の方に考えがいったのだと思います.もっとも,蔵田さん自身の疑問ではなく,周囲の人にアンケートした結果,とおっしゃっておりましたが.