ノストラダムス大予言の秘密

前から読んでみたかったのが,北大の前の古書店で手に入りました.
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%B9%E5%A4%A7%E4%BA%88%E8%A8%80%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E5%BD%AC%E5%85%89/dp/4041338123/ref=cm_lmf_tit_2/250-1576749-5777047
買えたのは,昭和53年の八版発行です.初版は昭和50年と書いてあります.
実に面白かったのは,面白かった本を書いた背景を描いた下りです.

五島氏はフランス語を専攻されたようだから,おそらく原文から先に読まれたのだろうが,私のほうは,英語とドイツ語には自信があっても,フランス語の読解力はそれにくらべてかなり落ちる.

そのため,私はまず英訳の詩と,英語の注釈を通読した.注釈のほうはほとんど辞書を使わなくてもすんだが,さすがに詩のほうはそうも行かなかった.

その上で,私は息子夫婦の力を借りた.この二人は,三年のベルギー生活を終わって最近帰国したばかりだが,ご承知のように,ベルギーではフランス語とフラマン語が公式語として使われている.二人ともフランス語の読解力にかけては,私よりもはるかに上なのだから,私はこの二人をふーふーいわせながら,もう一度,原詩を全部検討した.そして,この二人がなお持てあました部分は,中世フランス語を専攻している息子の友人の力を借り,私としてはこれ以上出来ない--といいたい研究を終ったのである.

凄い気合です!
高木彬光(あきみつ)先生!
今でも有名な高島嘉右衛門(かえもん),出口王仁三郎(おにさぶろう)を本物とし,さらにあのユリゲラーを「あの超能力は生まれながらに身にそのわっていた一種の天才に違いない.」と断言していながら,

人類はいつか滅びるだろう.
これは生物進化史の法則上,どうしても避けられない結論である.
ただ,その大破滅は,1999年7月というような比較的近い将来の,特定の短い月日にはおこらないだろう.
その意味で,私はノストラダムスを研究しぬいて「大予言」を否定するような,こんな結論に到達したのだ.

いえ,この他にも初版の昭和50年の1970年代では凄いと思われる五島勉氏の著作に対する懐疑的な指摘が多数あり,これが100円(定価220円)とは,嬉しいものです.


こんな本を置いておいてくれた古本屋は,北大の北13条門(地下鉄南北線北12条駅近く)のほとんど前で,猫が3匹くらい,店の中をうろついたり寝てたりしていました.が,店の名前は忘れてしまいました...