日本応用数理学会2007年度年会

情報処理学会や数学会,心理学会と比べますとマイナーなので,宣伝しておきましょう.
日本応用数理学会の初日に参加して来ました.
JSIAM 2007 Annual Meeting
相変わらず北大は広いです.
宿泊してるホテルから北大最寄駅まで10分,そして駅から会場の工学部棟まで10分以上.


それはそうとして,期待していたセッションは,期待通りでした.
応用数理学会年会予定 - なぜか数学者にはワイン好きが多い
会場には,三井斌友先生やら森正武先生やらのお顔がありましたし,お若い(と思われる)方の

・解適合格子状での離散変分法
谷口隆晴,松尾宇泰,杉原正顯(東京大学

も面白かったのですが,初日総合講演の

・電力・社会インフラ領域での技術開発における計算科学の応用
新井健司(東芝

は,とても面白かったにも関わらず,人がまばらでした.しかも,参加している方々のお年齢を想像すると,割と高め.ということは,日本数学会と同じく,日本応用数理学会も高齢化しているのでは....!!!!という想像をしてしまいました.
だからこそ阪大降旗さんとか東大松尾さんとかが注目されているわけですが,同年齢層の私の明日の講演は...たぶん,人はほとんどいないでしょう.
私のタイトルの付け方も悪かったのかもしれませんが,座長の北大の先生の御専門とはちょっと違うような...というわけで,ここ10年変わらず,やはりプログラムの作り方はよろしくないのではないかと思いました.
昔,「数理科学メーリングリスト」でも話題になったのですが,応用数学というからには,最適化は専門のはずだと.にも関わらず,応用数理の大会のプログラムが最適化されていないのは大問題ではないかと(例えば,近い分野のセッションがパラレルにあって,聴講することができない).
今年も状況は同じようです.2重の意味で.
(高齢化&no 最適化)


東大の谷口隆晴さんという方の発表は面白かったです.現在阪大の降旗さんのオリジナル離散変分法を,空間ステップの刻み幅(離散化幅)を時間方向のパラメータによって変化させるというものです.つまり,シンプレクティック数値解析法では困難な,刻み幅を変化させるようなことをやる方法です.発表を聞いてちょっと気になったのでセッション終了後に聞いてみたのですが,オリジナルの離散変分法(打切り誤差2次)だけじゃなくて,高次化も可能だとのこと.

面白くてお若くない方の発表では(失礼),

高次のエネルギー保存数値積分法と面積保存性について
石森勇次(富山県立大学

がありました.
いわゆるシンプレクティック数値解析法の合成法・分解法を,並列にやるという方法です.
合成分解法では,例えば刻み幅を1/2にして二回解法を実行すると次数が2倍になるという不思議なことが起こるのですが,順番に2回実行するのではなく,別個に実行する手法だそうです.これは私は知りませんでした.
(2005年度の応用数理学会で発表なさっていたそうですが,私は見にいけなかったようです.知らないということは.)
精度や安定性には疑問がありますが,並列に計算可能ということは,計算速度向上には絶対自然につながるはずです.ちょっと調べてみようと思います.

さて,明日の自分の講演の準備をしなければ...